昨日
日比谷シアタークリエで
今月の30日まで上演の
舞台『おもろい女』
昼公演を観てきました。

黒川さんが出演しているからです。

シアタークリエ

『おもろい女』ポスター

6月20日の昼の部は貸切公演で
生協のパンフに載っていたのを見て
購入することにしたという
『ジャンヌ・ダルク』
『真田十勇士』と同じパターン。(^^ゞ

いちおう抽選だったので
外れたら外れたとき
と思っていたのですが
当りました。

ただし届いたチケットを見たら
席は一番後ろだったので
最初にチケットが届いたときは
がっかりでしたが
実際に劇場に入ってみれば
舞台全面を見晴らすことができて
さほど悪くはないかと思い直したり。

12:00から
途中25分の休憩を挟んで
15:00までという
3時間の長丁場でしたが
その長さを感じさせないほど
面白かったです。


今回の舞台は
昭和初期に活躍した
ミス・ワカナという
漫才師を主人公とした話で
森光子が生前
400回以上も舞台にかけた
当たり役のひとつだったらしい。

もともと森光子は
現実のミス・ワカナの
付き人だったようで
その森光子が
NHKでドラマ化したときに
ミス・ワカナを演じ
その後、舞台でも演じたそうです。

そしてNHKでドラマ化した際
ワカナの相方・玉松一郎を演じたのが
藤山寛美。

それを今回、藤山寛美の娘である
藤山直美が演じ直すという企画で
藤山直美はNHKのドラマの時
中国人孤児の役で出演いたのだとか。

と、まあ
いろいろと縁やつながりのある
作品なのでした。

無論そんなことは
事前にいっさいチェックせずに
観たわけですが。


ところで、自分が子どもの頃
土曜日の昼下がりとかに
テレビで、藤山寛美の
松竹新喜劇をやっていて
それをよく観ていました。

その藤山寛美の娘が主演だから
というわけでもないでしょうけど
今回の舞台は
松竹新喜劇を彷彿させるものがあって
どこか懐かしい感じがされました。


それと、子どもの頃はよく
太平洋戦争がドラマの中盤に挟まって
主人公の人生を翻弄するのが
お約束みたいになってましたけど
今回の舞台もやっぱり
戦争時代を背景とする場面がありました。

「わらわし隊」という
寄席芸人の慰問団があったことは
知りませんでしたけど
今回はそのテーマソングなのかな?
それなんかが流れたのは
そういう古いもの好きの人間にとっては
嬉しかったですねえ。

敗戦後の場面では
これまた子どもの頃
昭和歌謡史的な番組で散々耳にした
並木路子の「リンゴの唄」が流れたり。

並木路子の「リンゴの唄」
久々に耳にしたなあ。


黒川さんが演じたのは
ミス・ワカナの弟子・桜井晴美。

大陸生まれで
下に掲げたチラシでも確認できる
パーマネントのヘアスタイルが
戦前昭和な感じ。

『おもろい女』チラシ

コミカルな演技を
テンポよく
ちゃきちゃきな感じでこなしていて
面白かったです。


途中、藤山直美のミス・ワカナが
晴美の服を直す場面があって
あんた細いなあと言い
会場の笑いを誘ってましたが
ほんと、最後列から観ると
すらっとして細い。

実際に細いのでしょうけど
失礼ながらテレビだと
さほどにも感じないだけに
舞台って不思議だなあと
つくづく思ったことでした。


1939(昭和14)年に
国民精神総動員運動委員会が
生活刷新案を提案し
そこで
パーマ禁止が提唱されていたことから
「パーマネントはやめませう」
というスローガンが
流行ったことがあります。

国防婦人会らしきグループが
そのスローガンを唱えながら
晴美を難詰する場面が
今回の舞台にはありました。

自分が子どもの頃なら
先に書いたような事情で
ああ、ありがち、と
思ったかどうかは分かりませんけど(笑)
漫然と見過ごすところですが
近年の風潮を思うと
洒落にもならない感じですね。


ミス・ワカナの相方役
玉松一郎を演じたのは
上に掲げたチラシにも書いてある通り
渡辺いっけい。

自分的には
『ケータイ捜査官7』の
アンカー上層部の伊達ですけど(笑)
アコーディオンを弾いて
漫才を演じているのを観ていると
財津一郎みたいな感じで。

例によって
事前に役者を確認してなかったので
後でパンフを読んで知って
びっくりしたのでした。


下の写真がそのパンフ。

『おもろい女』舞台パンフ
(東宝株式会社演劇部、2015.5.29)

発行日が5月になっているのは
シアタークリエに先立って
シアター1010(センジュ)で
公演があったからです。

このパンフも
興味深いスチールが
いろいろ載っているんですけど
戦前の、若いころの森光子の写真には
びっくりさせられました。

自分にとっての森光子って
TBSドラマ『時間ですよ』の
「松の湯」の女将ですからねえ。

あと、ミス・ワカナは
美人だという設定なんですが
ぶっちゃけ舞台を観ても
美人だとは思わなかったけど
パンフに載っている
若いころのスチールを見ると
確かに美人ですね。


ミス・ワカナと一郎の漫才を収めた
SPレコードも出ているようで
これはどこかの会社が
CDで出してくれないものかしら。

(もう出てるのかな?)


黒川さんが出るから
という理由で観にいったわけで
そんなきっかけでもなければ
普通なら観ないような作品ですが
自分は知らないけれど
知ってしまえば興味深い
昭和戦前期の演芸史を垣間見られて
ちょっとトクした感じです。

ちなみに
当日は半館貸切特典として
ほろ甘なっとうが
プチおみやげとして手渡されました。

ほろ甘なっとう(おみやげ)

あとでゆっくり
いただくことにします。


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