
(少年画報社 YKコミックス、2015.5.8.
写真左:第3巻、写真右:第4巻)
第1巻が出たのは2010年1月。
第2巻が出たのは2011年9月。
それから4年後にして
ようやく完結編が出ました。
しかも2冊同時刊行。
こういう出し方も珍しいなあ。
もう、第1~2巻の内容は忘れているので
もう一度読み直したうえで
第3~4巻を読み始めました。
印象としては
第1~2巻では
オムニバス形式が前面に出ていて
主人公の田中清[さや]だけでなく
他の登場人物も
フィーチャーされてた感じですが
第3~4巻では
清の、副担任の本八幡先生に対する
想いを描くことに
重点が置かれるようになり
ストーリーとしては
一本筋は通っていますけど
その分、定番の流れを
出ていないような感じがしました。
もっとも雅[みやび]と
小早川との対立と交流という
清の知らないところでのエピソードも
描かれていますけど
最終的には
清を中心とする話に収束していくので
別の時間が流れている
(登場人物それぞれに
それぞれの時間が流れている)
という感じがしないのですね。
弟の潔が想いを寄せる
彼女との関係がどうなったのか、とか
清が好きだと言う
雅[みやび]単独のエピソードとか
本八幡先生と国分寺さんとの
過去のエピソードとか
いろいろと語り落としている話が多い
という印象が残りました。
若き日の校長先生をフィーチャーした
秀逸なエピソードがあっただけに
(第1巻参照)
オムニバス形式をやめたのは
ちょっと惜しまれます。
もっとも、なんでもかんでも
描いてしまうというのは
あまり誉められたものでも
ないかもしれませんが。
一年間放送予定の
テレビドラマの途中で
プロデューサーが変わったような
感じがするので
ちょっと気になった次第です。
実際、途中から
担当編集者が変わったようで
まさかそれが影響しているわけでも
ないでしょうけれども。
悪人というものが
まったく出てこない話なので
物足りなく感じる人も
いるかもしれませんね。
自分は割と好みだというか
一種のファンタジーとして
楽しく読ませていただきましたけど。(^^ゞ
