『A国生活』
(祥伝社、2014.8.15)

昨日は模試の会議があり
終わった後に寄ったジュンク堂で
須藤真澄の『火輪花の丘』を
買いにいって
そういえば、と見てみたら
目に入ってきました。

オビ背には
「8年振りの新作コミック!」
と謳われています。


楠本まきは
まだ熱心に
少女まんがを読んでいた頃
たまたま
『KISS××××』(1989~91)を買って
そのアートな絵柄と独特な世界観に
なんだろうこれは
と思った作家でした。

それから
マーガレットコミックスに遡って
『青の解放』(1988)と
『HOT HOT HOT』(1989)を
読んだりしましたが
いつのまにか読まなくなっていきました。

ひとつには
なかなか本が出ないということもあり
もうひとつには
ゴスでパンクな世界に
馴染みきれないということもありまして。


ところが、先日購入した
(なぜか紀伊國屋書店新宿本店7Fで
 ヴィクリアン特集が
 ディスプレイされてまして)
『yaso 夜想』のヴィクトリアン特集号に

『yaso 夜想#ヴィクトリアン』
(ステュディオ・パラボリカ、2008.11.10)

楠本まきが寄稿しているのを見て
懐かし~と思い
英国滞在エッセイ本を出していることを知り
おや、いつのまに、と思って
ジュンク堂に寄った際に
棚を見てみたのでした。

そしたら
『yaso 夜想』で紹介されていた
本の他にも
英国ガイド本があり
さらに、今回取り上げる
『A国生活』も
あったというわけで。


『楠本まき選集』(2006~07)が出た時も
店頭で見て驚きましたが
いつのまにか英語版や
フランス語板の作品も出していて
英国生活13年目を迎えていたとは
もっとびっくり。

ほんと、アートな作家に
なってたんですねえ。


で、『A国生活』自体は
4コマを主体としたエッセイまんがで
イギリス暮らしで体験した
あれやこれやが書いてあるんですが
まさか楠本まきを読んで
大笑いする日が来るとは
思いもよりませんでした。

特に羊のドリーの剥製を
観にいったときの
ドリーのいとこ
(いとこがいるらしいw)
に対する
博物館員の反応と
楠本のコメントには大ウケ。


2012年ロンドンオリンピックのときの話も
興味深く読みました。

当時、テレビにかじりついてなんか
いなかったので
オリンピックおよびパラリンピックの
マスコットキャラ
この本(の楠本の描くイラスト)で
初めて見ましたけど
やっぱどこかセンスがねえ(苦笑)

Wikipedia にアップされている写真で見ても変!

というか、パラリンピックもあるのに
ひとつ目のキャラを
マスコットにしようと考えるセンスが……


イギリスの話ばかりでなく
フランスやイタリア、
スペインやチェコ、
アイルランドやスコットランドなど
ヨーロッパ諸外国に行ったときの
見聞などもあります。

自分もイギリス・ミステリが好きなだけに
イギリスという国には興味がありますが
この先、死ぬまでの内に
行けそうにない気がしているので
とーても羨ましい。

翻訳小説を読んでいるだけでは
なかなか分からない
生活に根ざしたイギリスを
知ることができ
蒙が啓かれました。

現在イギリスの
ダブルデッカー(2階建てバス)事情は
まさに、へえ~という感じでした。

ごみの分別に関しても、へえ~へえ~。
(古い【-。-;】)


もちろんグルメな話題もいっぱい。

イギリス料理は本当にまずいのかどうか
この本を読めば、ばっちり分かります。

美味しい紅茶の入れ方も出てますよ。


エッセイまんがなので
創作よりは取っ付きやすいです。

カラーページや写真ページもあるとはいえ
100ページに満たないのに
このお値段?!
と思わないでもないですけど( ̄▽ ̄)
まあ、イギリスに関心のある方には
ちょっと読んでみても
いいかもしれません。


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