第40話のサブタイトルは
「春風家にピアノがやってくる!」
です。
アバンタイトルは
ぽっぷが駆けていくシーンで始まり
自宅のドアを開けて
「お母さん、あたしにピアノ教えて!」
という台詞と、ぽっぷのアップで
その後、主題歌が流れます。
この時のぽっぷの台詞は
『映画 おジャ魔女どれみ♯』の
エンディング・テーマ後の
ぽっぷの台詞と同じです。
映画を観てなくても
分からなくはないけれど
映画を観ていれば
おおっ、あの続きかっ!
と、すぐに気づくように
作られているわけです。
どれみの母親は若いころ
ピアニストを目ざしており
その夢を娘に託していました。
ただ、映画で描かれたような事情で
自分の夢を
娘(どれみ)に
押しつけていたことに気づき
娘につらい想いをさせまいと
ピアノを教えることをやめていたんです。
映画で描かれた事情は
第40話でも紹介されますので
映画を観てなくても
いちおう理解できるようになっています。
そんな事情だったので
ぽっぷが習いたいと言い
どれみが教えてあげてと言われて
否やはなく
喜んで教えさせてもらうわ
と母親が二人を抱きしめて言う
というところで
「春風家にピアノがやってくる!」
とサブタイトルが入ります。
ところで、どれみの時の事情で
ピアノは売り払っていて
春風家にはない。
このあと、春風家に
ピアノがやってくるまでの展開が
リアルかつユーモアたっぷりに
描かれていきます。
魔法で音が出るようにしたトイピアノで
運指を習うぽっぷを観ているどれみ。
そのどれみに気づいた父親が
キッチンで話すシーンなんて
表情も含めて、すごい!
妻の夢と妹の夢
春風家の二人の女性の夢を見守る
というスタンスを共有する
父親—長女、というラインが
このとき出来るわけです。
父親が購入資金を調達するまでに
魔法でピアノを出して
MAHO堂で練習してもらおう
ということになります。
どれみに
お母さんのピアノ聴かせてと言われて
母親が試し弾きするのは
シューマンの『子どもの情景』から
「トロイメライ(夢想)」。
ハナちゃんを寝かしつけるために
「ルピナスの子守唄」を
母親が弾くシーンもあって
この「ルピナス」のピアノ・バージョンも
なかなかいいんですよね。
「ルピナスの子守唄」は
昔、おんぷちゃんの母親が
アイドルだった頃
歌っていた曲という設定で
これは『♯』の第8話で既出。
どれみの母親が
昔、流行っていて
いい曲だから楽譜に起したことがある
と言うのは
第8話を受けているわけで
そういう緩やかなつながりを示すのは
どれみシリーズのひとつの特徴でした。
「ルピナスの子守唄」を聴いて
眠くなったハナちゃんを見て
どれみは
泣きやまないぽっぷを
ピアノを弾いてあやしたことを思い出し
そのシーンが挿入されます。
一方、父親の方も
前払いを断られ続けて
ナンバーズ(?)も外して
思い出の釣り竿(ロッド)を売ろう
と思うのですが
その際、若いころの自分と
アメリカの有名な釣り師との交流が
回想シーンとして挿入される。
そのロッドを売ろうとしたことを
どれみに知られた父親が
ピアノを売ったお母さんの悲しみに比べれば
どうということはないと話す
という形で、ここで再び
父親—長女、というラインが
確認されるわけです。
ピアノが売られたとき
心に隙間ができた
それも埋まるかもしれないねと
この時どれみが父親に言うのは
父親—長女ラインが
できあがっていたからでしょうね。
今回のエピソードは
父親と長女の関係が上手に
(やや理想的すぎるくらいに)
描かれているのも
印象に残ります。
このあと、金策がどう解決したかが
描かれますが
これはなかなか上手い。
ちなみにどれみの父親は
自称「売れっ子フィッシング・ライター」で
ドラマを観ている
多くの小さいお友だちにとっては
あまり身近には存在しない職業
ではないかと思います。
その職業を活かした解決方法は
当時の小さい視聴者に
どういう印象を与えたのか
よく分かりませんが
金策と職業との関係を
きっちり描いているのは
さすがだという気がします。
第40話が収録されているDVDはこちら↓

(キングレコード KIBA-543、2001.8.1)
このジャケットのイラストは
最後の最後に
両親の前でどれみとぽっぷが
仲よくピアノを弾くのを見て
「今日ほど子どもを持って
良かったって思ったことないわ」
と母親が父親に言うシーンが
モチーフになっています。
このイラストの
どれみの表情は絶品で
これはもう
キャラクター・デザインを担当した
馬越嘉彦にしか出せない
味わいだと思います。
尻尾の先の先まで
あんこがつまったタイヤキのような
完璧なエピソードの脚本は
現在刊行中の小説版も担当している
栗山緑。
作画監督は馬越嘉彦で
演出が五十嵐卓哉なのは
今回のエピソードが
映画の正統的な続編であることを
よく示していると同時に
完成度が高いのもむべなるかな
というわけでして。
こんな感じの第40話を観ていると
『ドッカ~ン!』の第40話での
ピアノを練習するぽっぷと
その傍らに立つ母親の姿を見るときの
どれみの微妙な表情が
味わい深いものに感じられるわけです。
『♯』なんて
『ドッカ~ン!』の
二つ前(二年前)のシリーズなんですが
その時に描いたことを踏まえるあたり
スタッフの、
視聴者との間に作り上げた関係を
信頼した上でのドラマ作りが感じられ
すごいシリーズだったなあと
あらためて思わされるのでした。

「春風家にピアノがやってくる!」
です。
アバンタイトルは
ぽっぷが駆けていくシーンで始まり
自宅のドアを開けて
「お母さん、あたしにピアノ教えて!」
という台詞と、ぽっぷのアップで
その後、主題歌が流れます。
この時のぽっぷの台詞は
『映画 おジャ魔女どれみ♯』の
エンディング・テーマ後の
ぽっぷの台詞と同じです。
映画を観てなくても
分からなくはないけれど
映画を観ていれば
おおっ、あの続きかっ!
と、すぐに気づくように
作られているわけです。
どれみの母親は若いころ
ピアニストを目ざしており
その夢を娘に託していました。
ただ、映画で描かれたような事情で
自分の夢を
娘(どれみ)に
押しつけていたことに気づき
娘につらい想いをさせまいと
ピアノを教えることをやめていたんです。
映画で描かれた事情は
第40話でも紹介されますので
映画を観てなくても
いちおう理解できるようになっています。
そんな事情だったので
ぽっぷが習いたいと言い
どれみが教えてあげてと言われて
否やはなく
喜んで教えさせてもらうわ
と母親が二人を抱きしめて言う
というところで
「春風家にピアノがやってくる!」
とサブタイトルが入ります。
ところで、どれみの時の事情で
ピアノは売り払っていて
春風家にはない。
このあと、春風家に
ピアノがやってくるまでの展開が
リアルかつユーモアたっぷりに
描かれていきます。
魔法で音が出るようにしたトイピアノで
運指を習うぽっぷを観ているどれみ。
そのどれみに気づいた父親が
キッチンで話すシーンなんて
表情も含めて、すごい!
妻の夢と妹の夢
春風家の二人の女性の夢を見守る
というスタンスを共有する
父親—長女、というラインが
このとき出来るわけです。
父親が購入資金を調達するまでに
魔法でピアノを出して
MAHO堂で練習してもらおう
ということになります。
どれみに
お母さんのピアノ聴かせてと言われて
母親が試し弾きするのは
シューマンの『子どもの情景』から
「トロイメライ(夢想)」。
ハナちゃんを寝かしつけるために
「ルピナスの子守唄」を
母親が弾くシーンもあって
この「ルピナス」のピアノ・バージョンも
なかなかいいんですよね。
「ルピナスの子守唄」は
昔、おんぷちゃんの母親が
アイドルだった頃
歌っていた曲という設定で
これは『♯』の第8話で既出。
どれみの母親が
昔、流行っていて
いい曲だから楽譜に起したことがある
と言うのは
第8話を受けているわけで
そういう緩やかなつながりを示すのは
どれみシリーズのひとつの特徴でした。
「ルピナスの子守唄」を聴いて
眠くなったハナちゃんを見て
どれみは
泣きやまないぽっぷを
ピアノを弾いてあやしたことを思い出し
そのシーンが挿入されます。
一方、父親の方も
前払いを断られ続けて
ナンバーズ(?)も外して
思い出の釣り竿(ロッド)を売ろう
と思うのですが
その際、若いころの自分と
アメリカの有名な釣り師との交流が
回想シーンとして挿入される。
そのロッドを売ろうとしたことを
どれみに知られた父親が
ピアノを売ったお母さんの悲しみに比べれば
どうということはないと話す
という形で、ここで再び
父親—長女、というラインが
確認されるわけです。
ピアノが売られたとき
心に隙間ができた
それも埋まるかもしれないねと
この時どれみが父親に言うのは
父親—長女ラインが
できあがっていたからでしょうね。
今回のエピソードは
父親と長女の関係が上手に
(やや理想的すぎるくらいに)
描かれているのも
印象に残ります。
このあと、金策がどう解決したかが
描かれますが
これはなかなか上手い。
ちなみにどれみの父親は
自称「売れっ子フィッシング・ライター」で
ドラマを観ている
多くの小さいお友だちにとっては
あまり身近には存在しない職業
ではないかと思います。
その職業を活かした解決方法は
当時の小さい視聴者に
どういう印象を与えたのか
よく分かりませんが
金策と職業との関係を
きっちり描いているのは
さすがだという気がします。
第40話が収録されているDVDはこちら↓

(キングレコード KIBA-543、2001.8.1)
このジャケットのイラストは
最後の最後に
両親の前でどれみとぽっぷが
仲よくピアノを弾くのを見て
「今日ほど子どもを持って
良かったって思ったことないわ」
と母親が父親に言うシーンが
モチーフになっています。
このイラストの
どれみの表情は絶品で
これはもう
キャラクター・デザインを担当した
馬越嘉彦にしか出せない
味わいだと思います。
尻尾の先の先まで
あんこがつまったタイヤキのような
完璧なエピソードの脚本は
現在刊行中の小説版も担当している
栗山緑。
作画監督は馬越嘉彦で
演出が五十嵐卓哉なのは
今回のエピソードが
映画の正統的な続編であることを
よく示していると同時に
完成度が高いのもむべなるかな
というわけでして。
こんな感じの第40話を観ていると
『ドッカ~ン!』の第40話での
ピアノを練習するぽっぷと
その傍らに立つ母親の姿を見るときの
どれみの微妙な表情が
味わい深いものに感じられるわけです。
『♯』なんて
『ドッカ~ン!』の
二つ前(二年前)のシリーズなんですが
その時に描いたことを踏まえるあたり
スタッフの、
視聴者との間に作り上げた関係を
信頼した上でのドラマ作りが感じられ
すごいシリーズだったなあと
あらためて思わされるのでした。
