『骨と翅』、
『逆さの骨』と
「骨」の字が邦題に入っている作品を
紹介してきましたので
名実共に「骨がらみ」な
本命作品をあげておかないと
というわけで、こちら。

(2012/嵯峨静江訳、
ハヤカワ・ミステリ文庫、2014.1.25)
形質人類学者で
スケルトン探偵という通称を持つ
ギデオン・オリヴァー教授シリーズの
第17作目です。
これまでに
ジブラルタルを舞台とした
第15作『原始の骨』(2008)
メキシコ南部を舞台とした
第16作『騙す骨』(2009)を
紹介してきましたが
今回の舞台はイタリアです。
トスカーナ地方の田園地帯にある
ワイナリーの創業者が失踪。
その一年後、後妻と共に崖下で
死んで骨になった状態で発見されます。
警察(イタリアだと憲兵隊)は
ワイナリーの経営者が
後妻を殺したあと自殺した
という結論を下し
捜査ファイルが閉じられました。
その一週間後
たまたまフィレンツェで開催された
国際科学捜査シンポジウムに
講師として招かれていた
ギデオン・オリヴァーは
上記事件の捜査を担当した
フレンツェ地区憲兵隊少尉が
聴衆の中にいたことから
後妻の骨を検分する機会に恵まれ
意外な鑑定結果を下したことで
事件の再調査が始まる
というお話です。
『骨と翅』のように
サイコ・キラー的な犯人が
挑戦的に謎を拵えるのではなく
事件の流れや状況から生じた痕跡を
ギデオンが読み取ることで
初めて謎が生じるという展開は
さすがの上手さでした。
ギデオンの発見が
後半の、ある訴訟にも絡んできて
さらには、新たな事件を
発生させることになる
という流れも
自然でいいですね。
そこらへんは
さすがに手慣れたものでして
イタリア人の書き方など
ステレオタイプすぎる気が
しないでもないけれど
マニアだけでなく
誰もが楽しめる
ウェルメイドなミステリとしては
秀作といっていいでしょう。
前にも書いたかも知れませんが
このシリーズ
観光ミステリの要素もあります。
今回はワインセラーが舞台
ということもあり
ワインへの言及はもちろん
イタリア料理について
これでもかといわんばかりに
書かれているので
グルメガイドにも使えそうな感じ。
訳も読みやすい。
気持ちよく、さくさく読めます。
おススメ。

『逆さの骨』と
「骨」の字が邦題に入っている作品を
紹介してきましたので
名実共に「骨がらみ」な
本命作品をあげておかないと
というわけで、こちら。

(2012/嵯峨静江訳、
ハヤカワ・ミステリ文庫、2014.1.25)
形質人類学者で
スケルトン探偵という通称を持つ
ギデオン・オリヴァー教授シリーズの
第17作目です。
これまでに
ジブラルタルを舞台とした
第15作『原始の骨』(2008)
メキシコ南部を舞台とした
第16作『騙す骨』(2009)を
紹介してきましたが
今回の舞台はイタリアです。
トスカーナ地方の田園地帯にある
ワイナリーの創業者が失踪。
その一年後、後妻と共に崖下で
死んで骨になった状態で発見されます。
警察(イタリアだと憲兵隊)は
ワイナリーの経営者が
後妻を殺したあと自殺した
という結論を下し
捜査ファイルが閉じられました。
その一週間後
たまたまフィレンツェで開催された
国際科学捜査シンポジウムに
講師として招かれていた
ギデオン・オリヴァーは
上記事件の捜査を担当した
フレンツェ地区憲兵隊少尉が
聴衆の中にいたことから
後妻の骨を検分する機会に恵まれ
意外な鑑定結果を下したことで
事件の再調査が始まる
というお話です。
『骨と翅』のように
サイコ・キラー的な犯人が
挑戦的に謎を拵えるのではなく
事件の流れや状況から生じた痕跡を
ギデオンが読み取ることで
初めて謎が生じるという展開は
さすがの上手さでした。
ギデオンの発見が
後半の、ある訴訟にも絡んできて
さらには、新たな事件を
発生させることになる
という流れも
自然でいいですね。
そこらへんは
さすがに手慣れたものでして
イタリア人の書き方など
ステレオタイプすぎる気が
しないでもないけれど
マニアだけでなく
誰もが楽しめる
ウェルメイドなミステリとしては
秀作といっていいでしょう。
前にも書いたかも知れませんが
このシリーズ
観光ミステリの要素もあります。
今回はワインセラーが舞台
ということもあり
ワインへの言及はもちろん
イタリア料理について
これでもかといわんばかりに
書かれているので
グルメガイドにも使えそうな感じ。
訳も読みやすい。
気持ちよく、さくさく読めます。
おススメ。
