
(新潮社、2104年3月30日発行)
こちらも、先にご紹介した
『今こそ読みたい児童文学100』同様
というか、それと一緒に
会議帰りの土曜日に購入しました。
やっぱり
「北村薫のエッセイ」という
副題が付いている前著
『読まずにはいられない』(2012)も
購入済みなのですが
100ページあたりで
読むのが止まっている状態で
あとから出た本の方を
先に読み終えたという(苦笑)
いいわけめいたことを書いておくと
『書かずにはいられない』には
この先ネタ割れあり、という
注意書きが入った文章があり
それに引っ掛かって
止まっている次第でして。
そういう文章は
飛ばせばいいのでしょうけど
これがなかなかできなくて……。
それはともかく
前に出た本も今回の本も
特定のテーマで一冊という本ではなく
様々な媒体に寄稿したエッセイを
まとめたものです。
「読書 1992-2003」というパートには
『ミステリマガジン』に寄せた
毎年の年間ベストアンケートが
そのコメントまで載っていて
これは普通の読者には
辛いのではないかと思ったり。
そういうのを除くと
語り口の面白さで読ませる
日常を描いたエッセイや
蘊蓄を語ったエッセイなどが載っていて
さくっと楽しめました。
今回は、作者の父親が
大正末から昭和初めの
創作童話運動に関わっており
大学では折口信夫に学び
民俗学研究者として
たくさんのノートを残している
という身内話が興味深かったです。
これも、蛙の子は蛙の類いでしょうか。
映画『ドリームチャイルド』の
感想を書いたエッセイがあるのも
見つけものでした。
紹介されている本の中で
これは自分も持っている
というのがあると嬉しくなったり
これは持ってないなあ
というのがあると口惜しくなったり
持っていないだけでなく
知らなかった本があって
(当然いくらでもあるわけですが)
面白そうなものがあると欲しくなったり
まあ、そんなふうに
いろいろと「なったり」しながら
読み終えました。
同じ人間ではないし
趣味もそれなりに違いますから
作者が紹介していて
こちらが持っていない本が多いのは
当たり前なんですが
持ってなかったり知らなかったりすると
不思議なもので
何となく口惜しく思われてきます。
そういう持っていない本は
いまだ持つべき本ではないのだ
あるいは将来的にも持つべき本ではないのだ
と思えればいいんですけどね。
凡人なものですから
なかなかそういうわけにもいきません。f^_^
