
(NHKソフトウェア発行、
アミューズソフト販売株式会社販売
ASHB-1118、2013.1.24)
NHKの人形劇の古い作品は
ほとんどフィルムが残っておらず
名高い『ひょっこりひょうたん島』はもちろん
自分が懐かしいと思う
『新八犬伝』や『真田十勇士』なども
放送された全作品を観ることはできません。
かろうじて残っていたフィルムを基に
当時の関係者のインタビューを取り混ぜながら
人形作家や人形劇団ごとに再構成したのが
『NHK人形劇クロニクルシリーズ』全8巻で
その4巻が本商品です。
ところで、1985年5月18日にETVで
『NHKライブラリー選集 新八犬伝』
という番組が放送されましたが
その際、『新八犬伝』の第1回と第20回、
第464回(最終回)の映像が流れました。
その番組では
『新八犬伝』で語り手の黒子を務めた
坂本九が解説者として登場していましたが
それを基にDVD化したのが本商品
『NHK人形劇クロニクルシリーズ vol.4
新八犬伝 辻村ジュサブロー』です。
他に、副題にもあるように
『新八犬伝』の人形作家である
辻村ジュサブローのインタビューが
収められています。
坂本九は1985年8月12日に
乗っていた航空機が墜落して亡くなるという
悲劇的な死を迎えており
その直前の姿を伝える
貴重な映像にもなったという
不思議な因縁を持つ映像でもあります。
第1回には八犬士はまだ出てきてませんし
第20回も伏姫が死に
金腕(かなまり)大助が
ゝ大(ちゅだい)法師となって
八犬士探しの旅に出るところで終わるので
やっぱり八犬士は出てきません。
最終回はもちろん八犬士は出てきますが
まあ、出てくるだけといって良いので(苦笑)
だから番組の観どころは
いっさい残っていないといってよいのですが
坂本九の語りの感じは掴めますし
第20回のエンディングで
「夕やけの空」が流れますし
第1回、第20回は
当時、自分も観ていなかった回なので
それなりにありがたい1枚です。
ちなみに、DVD発売後
前半の総集編である
第86回が発見されたようですが
そちらは当然ながら未収録。
(総合テレビの『NHKアーカイブス』で
平成24年2月19日で放送されたようです)
もう一つの主題歌である
「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」が
流れるエンディングも観たかったなあ。
他に『真田十勇士』(全445回)の
第1回と第443回を収録。
こちらは最終回すら
残っていなかったということですね(苦笑)
第443回のエンディングでは
松山省三の歌う「猿飛佐助の歌」が流れます。
『真田十勇士』の頃は中学生で
部活動も始めたため
放送時間帯に家にいることは
なかったこともあり
自然と観ることをやめてしまいました。
そんな自分の印象に残っているのは
村田英雄の歌う「真田十勇士の歌」なので
それが流れる回が残っていると
嬉しかったんだけどなあ。
ちょっと驚いたのは
第1回と第443回とで
語り手(ナレーター)が
変わっていたことです。
これは、
途中から観なくなったこともあり
覚えていなかった。
びっくりでした。
第1回も第443回も
エンディング・テロップが流れないのですが
Wikipedia によれば
最初はNHKアナウンサーの酒井広が、
後には熊倉一郎が務めたようです。
あと、当時の人形遣いの一人
伊東万里子のインタビューを収録して
トータルタイム約103分。
上に書いたように
残された映像の回が回だけに
必ずしもベスト版とはいえませんが
『新八犬伝』の最終回は
玉梓(たまずさ)が怨霊
舟虫、網乾左母二郎(あぼし・さもじろう)
運玉ノ義留(うんたまのぎる)という
悪のレギュラー・キャラクターが出てきますし
「夕やけの空」をBGMに語られる
犬塚信乃の許嫁・浜路の述懐には
思わず涙をそそられるものがありました。
さすが最終回。
こちらはまだ購入可能のようですし
観てみたい方はとりあえず
手に取ってみてはいかがでしょう。
でもまあ、当時
番組を観ていて胸を躍らせた方なら
もう持っていらっしゃるかも
しれませんが。(^^ゞ
