
(2011/猪俣和夫訳、角川文庫、2013.11.25)
ベルリン刑事局殺人課刑事
ニルス・トローヤンものの第1作。
マックス・ベントーは本作が
小説のデビュー作になるようです。
タイトルがキャッチ—というか
江戸川乱歩の猟奇ものみたいで
昔懐かしい感じがします。
原題は Der Federmann なので
英語だと「フェザーマン」でしょうか。
直訳するとまさに「羽男」ですね。
山口譲司のコミックス
『江戸川乱歩異人館』に使われてても
おかしくない感じ(苦笑)
内容は普通のサイコ・スリラーで
新顔のシリアル・キラーという以外は
目立った新しさは感じられませんでした。
第2の被害者の娘の使い方とか
ちょっといいなとは思いましたけどね。
ただし、デビュー作にしては
リーダビリティは見事なもので
ついついページを繰らせる力量には
脱帽させられました。
作者は俳優で
劇作家でもあるそうですから
単なる新人のデビュー作と
同列には語れないにせよ。
オビにもある通り
ドイツでは大ベストセラーだそうです。
翻訳ミステリが
よく読まれている日本では
いかがなものでしょうか。
なお、今回は
訳者あとがきなど
解説の類いが
まったくありません。
これは珍しい。
10月に出た翻訳物には
解説が付いてますので
今回は、たまたまだと思いますけど
内扉や奥付のデザインが
変わったみたいで
手持ちの本で確認してみたら
昨年の10月から
新しくなったようです。
奥付の発行者や発行所から
社内の組織編成が変わったことは
見当はつきますので
そのためだろうとは思うものの
詳しい事情は知りません。
でもまあ、デザインが変わったこと、
備忘のため記しておくことにします。
