
(和智正喜訳、宝島社新書、2013.12.4)
ウルトラマンタロウ初の著書!
……という設定で書かれた
和智正喜の書き下ろしです。
自分は昔、和智正喜が書いた
『仮面ライダー』の小説版を
読んだことがあり、それもあって
おおっと思いながら手にとった次第です。
各章の各項目が短いので
何となく物足りない感じがするし
特に、初代マンとセブンに関しては
従来のこの手の書籍の内容を
超えている感じがしませんでした。
ただ、ゴモラの時には
ささやかながら
文化的な暮らしの象徴だった団地が
フック星人の時には
画一的なものの恐怖を見出す空間になった
二年にも満たないうちに
印象ががらりと変わった
という指摘は面白かったですね。
第2次ウルトラ・シリーズは
ほぼリアルタイムで観ていましたが
(それでもウルトラマンAくらいまで)
その最終回がみな
子どもたちへのメッセージで
終わっていることを
それなりに意味づけているのは
ちょっと面白かったかな。
平成ウルトラマンの
ティガ・ダイナ・ガイアが
すべて人間の意思から生まれた存在で
光の国の戦士ではないということから
人間の可能性の存在を
賞揚する方向へとつなげたのは
これも、ちょっと面白かったかなあ。
続編は2066年の
ウルトラマン100周年記念の際に
刊行予定だそうで。
なんとも気の長い話です(笑)