切り裂きジャックの研究者で
翻訳家のJ先生に
某新人賞のパーティーでお会いして
お話ししたときに
出ていると教えてもらった本です。

今なら日本の Amazon から買える
と聞いたので
さっそく注文してみました。

$圏外の日乘-The Anthony Boucher Chronicles
(Ramble House、2001)

サブタイトルも含めた正確な書名は
The Anthony Boucher Chronicles:
Reviews and Commentary 1942-1947
といいます。

総ページ数が450ページを超す
大判のペイパーバックで
初版は2001年ですが
届いたのは2009年発行の3刷でした。

編者のフランシス・M・ネヴィンズというのは
『エラリイ・クイーンの世界』(1974)や
『コーネル・ウールリッチの生涯』(1988)という
ミステリ作家の伝記を書いていて
他に、『120時間の時計』(1986)という
長編ミステリも訳されている
アメリカの作家・評論家です。

最初はネヴィンズのあとに
ジュニアと付いてましたが
いつからか取れてしまいましたね。
(カート・ヴォネガットなんかと同じです)


コアな海外ミステリ・ファンには
釈迦に説法でしょうが
いちおう紹介しときますと
アントニー・バウチャー(1911-1968)は
アメリカのミステリ作家・評論家で
この名前でミステリやSFを書いている他に
H・H・ホームズという名義で
ウルスラという尼さんの探偵が活躍する
密室ミステリを書いています。

とはいっても、まあ、
小説よりもミステリ批評の方で
有名な人といっていいでしょう。

江戸川乱歩なんかも
バウチャーの評を参照したりしていますし
現在、アメリカで開かれている
世界中のミステリ・ファンや作家、
出版関係社の集まりである
バウチャーコンにその名を残している
とてもエラい人なのです。

この本は、副題にある通り
そのバウチャーが
1942年から1947年までの間に
月刊誌や週刊誌に載せた
書評を集めたものです。


暇なときにぱらぱらと眺めて読めるほど
語学力があるわけでもないのですが
必要なときに
バウチャーがどう評価したのか
チェックするのに便利かなあ
と思って買いました。

巻末には作家名索引があるので
ほんと、必要な時はそちらを見て
対象作家のページを確認して
辞書と首っ引きで読むわけですな。

そういうとき、つくづく
もっと真面目に英語を勉強しとけば良かった
と思わされるのですが……(´・ω・`)

それはともかく
たぶん、いつか、きっと
役に立ってくれるでしょう( ̄▽ ̄)