
(芳賀書店、1990年5月25日発行)
責任編集・橋本光恵。
「デラックスカラーシネアルバム」という
ムックの第41巻です。
連休中に寄った
長沢商店街沿いの
(そういう商店街があるんですw)
BOOK-OFF で見つけました。
ダニエル・デイ=ルイスの映画は
『存在の耐えられない軽さ』(1988)と
『イングリッシュマン in ニューヨーク』(同)
しか観てません。
にもかかわらず、買ったのはなぜか
といえば、ダニエルのお父さんが
詩人のセシル・デイ・ルイスだからです。
というより、お父さんは
ミステリ作家のニコラス・ブレイクだから
といった方が
自分的には通りがいいんですけど。
まあ、お父さんの小説は好きだし
買っておくかー、てな感じで(苦笑)
購ったのですが
そしたら記事のひとつに
大島一雄という人の
「ダニエル・デイ=ルイスの父親を求めて」
というのがありまして
これはもう、ちゃんとした
ニコラス・ブレイクの参考文献ではないかと。
知らなかったのかよΣ\( ̄ー ̄;)
てな感じですが、
知りませんでした、すみません( ̄▽ ̄)
記事の内容は
セシル・デイ・ルイスの邦訳リストを
作ろうと思って『日本書籍総目録』を見たら
載っておらず、邦訳がないのかと思ったら
「デイ・ルイス,C.」ではなく
「ルイス,C.D.」で
項目立てされていることに気づき
かなり訳されていることを知った
という前ふりのあと
セシル・デイ・ルイスの作品リスト
(単行本リスト)を邦訳書誌を添えて掲げ
経歴や作品傾向について簡単にふれてから
ダニエルとの関係について書く
というものです。
『日本書籍総目録』に準拠したためでしょう
邦訳情報は単行本のみなので
雑誌に訳載された長編の情報などは
抜けてますけど
これは当時としては
なかなか充実した
立派な記事ではないかと思います。
特に、ダニエル・デイ=ルイスは
セシル・デイ・ルイスが
いくつの時に作った子供なのか
実のところよく知らなかったんですが
ダニエルとの関係が書いてあって
ここらへんはさすがに
映画関係のムックだけのことはある
という感じです。
あと、「セシル・デイ・ルイス」の
表記について書いてあって
ペンネームは Cecil Day Lewis
本名は Cecil Day-Lewis というふうに
ハイフンを使い分けてたというのは
初めて知ったというか、気づかされました.
だから「セシル・デイ=ルイス」ではなく
「セシル・デイ・ルイス」と表記する
と書いてるのには,なるほどという感じで
これは正直、脱帽ものでした。
それに関連して
ブレイクの最初の結婚で生まれた息子
ショーン・デイ=ルイスの書いた
ブレイクの伝記本の書影が掲げられていて
その本のタイトルが
C. Day-Lewis: An English Literary Life.
と、ハイフン付きになっている
という指摘があり
なるほどー、と蒙を啓かれる感じでした。
他に、和久本みさ子の
ダニエル・デイ=ルイス小伝の冒頭に
父親の書いた
息子の誕生を祝った詩が
部分的に載っています。
それと、セシル・デイ・ルイスに
何人子供がいて
その誰が誰との間の子供か
ということも書いてあります。
今は、向こうの Wikipedia を見れば
子供が何人で、誰との間にできたのか
簡単に調べがつく、とはいえ
いちいちネットで検索しなくて済むので
ありがたいな。
セシル・デイ・ルイスの話は、あとひとつ
ダニエル・デイ=ルイスへの
インタビューを紹介した
佐藤友紀の記事の中に
上の、自分の誕生をうたった詩について
語るところに出てきます。
余談ですが
ちょっとびっくりしたのは
巻頭に載っているエッセイの書き手が
連城三紀彦だったこと。
おっと、こんなところに(も)
書いてましたかー
という感じで(笑)
余談ついでに、もうひとつ
原作小説と映画とを比較した
西口夏子という人の
『存在の耐えられない軽さ』論も
面白かったです。
古い本なので
ダニエル・デイ=ルイスのフィルモグラフィーは
『マイ・レフトフッド』(1989)までしか
フォローされてませんが
テレビや舞台の情報まで載っていて
そこはさすがに
映画関係のムックだけのことはあり。
何気なく手にとった本でしたが
これはなかなかお得な買い物でした。
ところで
『イングリッシュマン in ニューヨーク』を
観直してみたいなあと思って
検索かけてみたら
なんとDVDになってないんですね。
日本では劇場公開されず
ビデオ・リリースのみだったようですが
(自分はレンタルで観ました)
そろそろDVD化してくれないもんかしらん。