$圏外の日乘-『青い鳥文庫ができるまで』
(講談社、2012年7月26日発行)

仕事が詰まってるのに
ついつい手を出してしまい
最後まで読んじゃいました。


講談社が出している
児童向けの新書シリーズ
「青い鳥文庫」に収録されている
という設定の架空の作品が
本になって店頭に並ぶまでを描いた
ノンフィクション・ノベルです。

自分も多少は
原稿を書く機会などがあり
本づくりに関わる時もあるとはいえ
経理とか校閲とかとのやりとりまで
詳しく知っているはずもなく
興味津々のうちに読み終えました。

原稿ができるまでもサスペンスですが
まあ、そこらへんはよく描かれるわけで
原稿が完成し、ゲラができてから
校了になるまでのサスペンスは
あまり描かれないのではないか
と思います。

己の仕事ぶりを省みて
大ウケするわドキドキするわで
ついに店頭に並ぶシーンは感動ものです。

そのお店が
よく利用する横浜の有鄰堂ときては
なおさら。


校正用のゲラの各部の名称とか
本自体の各部の名称とか
ページ割の編成表や
印刷する際の折りの構成など
イラストもマニアック。

いちばんマニアックなのが
作者のあとがき部分だけ
紙を変えていること。

あとがきの折りの部分だけ
青い鳥文庫用の紙になってるんです。


いろいろと理想化されてはいますし
(そりゃあ、ねw)
児童書ではありますが
本好きの人におススメ。

青い鳥文庫の愛読者なら
ぜひ読んでおきたい1冊でしょう。


ちなみに
書店では児童書のコーナー
青い鳥文庫のそばに
置いてあると思いますが
青い鳥文庫ではありません。
叢書外のハードカバー本です。
念のため。