このところ長編を読む時間が
なかなか取れなくて、
久々に海外ものを読もうと思って
ついこないだ読み終えたのも
件名にあげた短編集でした。

(2003/玉木亨訳、創元推理文庫、2012.4.27)
基本的に、〈奇妙な味〉の短編集、
別のいい方をすれば
早川書房の『異色作家短篇集』にでも入りそうな
作品集ということになるでしょう。
邦訳版の表題作は
英国推理作家協会賞の短編部門を受賞した
「フランクを始末するには」ですが、
原書の表題作は「マイロとおれ」という
赤ん坊が相棒の刑事物です。
優秀な刑事は常に事件を純真な眼で見る
という考え方から、
刑事がそれぞれ赤ん坊を連れて歩く
〈天真爛漫〉計画が実施された
イギリスでのお話、という設定。
そんなんでほんとに事件を解決できるのか
と思った方は、読んでみてください。
「フランクを始末するには」は
高齢の映画俳優が死んだ後の
特番やら何やらが用意されているのに
当の俳優がなかなか死なないので
暗殺を依頼された主人公のお話。
単なるどんでん返しの連続ではなくて
社会諷刺的な視点が盛り込まれているのがミソ。
だから受賞と相成ったのでしょうが
よくある話といえなくもないような……
その他、買い物メモだけで構成された小説
なんて変わりものもありますが、
どんでん返しという点では
「エディプス・コンプレックスの変種」が面白く、
ユーモアと諷刺という点では
ゴーストライトをめぐる出版界の内幕話
「エスター・ゴードン・フラリンガム」が面白い。
そして奇想という点では
「緑」かもしれませんね。
これはちょっと説明するのが難しいし
説明すると話のオチが分かっちゃうでしょうから
どこがどう奇想なのかは書きません。
レイ・ブラッドベリみたい、とも思いましたが
よくよく考えれば、自分
ブラッドベリをあまり読んでないんでした(^^ゞ
でも、よくよく考えると
「フランクを始末するには」も
「エスター・ゴードン・フラリンガム」も
諷刺の方向性は同じのような気がするし、
「エディプス・コンプレックスの変種」と
「プレストンの戦法」は
どちらもチェスものだしで、
この作者、意外と引き出しが
狭いのかもしれないとも思ったり。
まあ、でもすぐに読めますし、
ちょっと変わったお話が好きな人には
おススメかもしれません。
なかなか取れなくて、
久々に海外ものを読もうと思って
ついこないだ読み終えたのも
件名にあげた短編集でした。

(2003/玉木亨訳、創元推理文庫、2012.4.27)
基本的に、〈奇妙な味〉の短編集、
別のいい方をすれば
早川書房の『異色作家短篇集』にでも入りそうな
作品集ということになるでしょう。
邦訳版の表題作は
英国推理作家協会賞の短編部門を受賞した
「フランクを始末するには」ですが、
原書の表題作は「マイロとおれ」という
赤ん坊が相棒の刑事物です。
優秀な刑事は常に事件を純真な眼で見る
という考え方から、
刑事がそれぞれ赤ん坊を連れて歩く
〈天真爛漫〉計画が実施された
イギリスでのお話、という設定。
そんなんでほんとに事件を解決できるのか
と思った方は、読んでみてください。
「フランクを始末するには」は
高齢の映画俳優が死んだ後の
特番やら何やらが用意されているのに
当の俳優がなかなか死なないので
暗殺を依頼された主人公のお話。
単なるどんでん返しの連続ではなくて
社会諷刺的な視点が盛り込まれているのがミソ。
だから受賞と相成ったのでしょうが
よくある話といえなくもないような……
その他、買い物メモだけで構成された小説
なんて変わりものもありますが、
どんでん返しという点では
「エディプス・コンプレックスの変種」が面白く、
ユーモアと諷刺という点では
ゴーストライトをめぐる出版界の内幕話
「エスター・ゴードン・フラリンガム」が面白い。
そして奇想という点では
「緑」かもしれませんね。
これはちょっと説明するのが難しいし
説明すると話のオチが分かっちゃうでしょうから
どこがどう奇想なのかは書きません。
レイ・ブラッドベリみたい、とも思いましたが
よくよく考えれば、自分
ブラッドベリをあまり読んでないんでした(^^ゞ
でも、よくよく考えると
「フランクを始末するには」も
「エスター・ゴードン・フラリンガム」も
諷刺の方向性は同じのような気がするし、
「エディプス・コンプレックスの変種」と
「プレストンの戦法」は
どちらもチェスものだしで、
この作者、意外と引き出しが
狭いのかもしれないとも思ったり。
まあ、でもすぐに読めますし、
ちょっと変わったお話が好きな人には
おススメかもしれません。