$圏外の日乘-『刑事コロンボ 完全版』Vol.21 & 22
(ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
 UJSD-01033、2002)

やあ、昨年の9月に観直した
『死者のメッセージ』以来ですが、
ようやく次のエピソード(第42話)を観ました。

これは本放送時に観ておりまして、
その時は、うさんくさそうな
「日本人」俳優が出てきたりしてたので、
たいへん印象を悪くしておった記憶がありますが、
今回観直したら、意外と面白かったです。

ずーっと、勘違いジャポニズム作品かと
思ってたわけです(^^;ゞ

でも、今回観直したら
これは正統的な名探偵もの
ないし、トリックものだと
印象を新たにしました。


犯人はどうやって被害者を毒殺したか、
ミステリ的には、その
ハウダニット Howdunit の興味だけです。

それはちゃっちいなりに
そこそこ面白いトリックだったんですが、
伏線となる映像がなくて
フェアなパズルになっていないのは
残念でした。

てか、その映像がないので、
チョー不可能犯罪のような
印象を受けたという(苦笑)


ただ、ほとんど
〈名探偵 vs 犯人〉もののノリで
最後は、犯人が刑事を(要するにコロンボを)
殺そうとします。

さすがにそれはないだろう(苦笑)
と思いつつ、そこらへんが
〈名探偵 vs 犯人〉もののノリなわけでね。

それに、あんな特殊な毒を使えば
毒の正体が規定された途端に
犯人が絞られるわけで、
計画としては甘いですね(藁


でも、それらを補って余りあるのが
シチュエーションや台詞の面白さで、
料理人である被害者は
関係者みんなに愛されていたので
捜査をするコロンボにシェフたちが
激励の意味で次から次へと料理を提供する、
それが何ともいえず面白い。

被害者の葬儀の席(墓の前の挨拶)では
従兄弟のシェフが、
「捜査をなさっている間は
 ひもじい思いはさせません」
とかスピーチしてて、
この台詞には大笑いしました。

要するに今回の話は
グルメ・ミステリでもあったわけです(藁


コロンボがたまたま容疑者宅を訪ねると
たまたまある料理を供されて
捜査を手がかりを得るというのは
安易かとも思いますが、
それにフォーチュン・クッキーを絡めているのは
なかなかのシークエンスではないかと思ったり。

容疑者宅を訪ねた時の
ゲイシャの仕草は
どうかと思いますけど。
(誤解入ってるよなあw 面白かったけど。
 ちなみに三味線を弾いてない方の芸者さんが
 好みです。って、誰も聞いてないしーw)


というわけで、なんだかんだで
初見の時よりは印象が良くて、
それにはびっくりでした。

年を取って甘くなったのか……。

いや、たぶん、
酸いも甘いも噛み分けない
中学生の時に観たからなんでしょう(苦笑)

伏線となる映像をカットしちゃう編集は
いかがなものかと思いますが、
今の自分には、楽しめるエピソードでした。


あ、それで、あのガス式(?)の
ワインオープナーの実物には、
いまだにお目にかかったことがありません。

たぶんそれでリアリティがなくて
面白く感じなかった理由かもしれないなー(苦笑)


ちなみに監督はジョナサン・デミです。



*すみません、一度アップしてから
 ちょこちょこ直してます。
 4:30ごろの直しで最後にしますので
 ご容赦~m(_ _)m