この2月に奈央ちゃんがゲストで出る映画が
新宿の K's cinema で公開される
本人ブログで告知されたので
同劇場のHPを見てみました。

おお、ここは
『ルパンの奇巌城』を観た劇場じゃないか
とか思いながら、
Movie info(作品解説)のページを見ていたら
『グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独』
という映画が上映されたことを知りました。
そこから公式HPに飛んだところ
まだ渋谷で上映されていることを知り
土曜日にちょうど渋谷に行く用事があったので
これ幸いと観てきました。

前置き長くてすみません(^^;ゞ


グールドの映画としては
『グレン・グールド 27歳の記憶』(1959)を
当ブログで紹介したことがありますが、
『27歳の記憶』が
ゴールドベルク変奏曲でデビューした当時の
若きグールドの風貌を伝えているのに対して、
『天才ピアニストの愛と孤独』は
グールドが愛し、関係した女性たちや
その周辺の人々の証言がフィーチャーされた
正真正銘の伝記映画であることが
本映画の特色です。

殊にグールドの女性関係が明らかにされたのは
今回が初めてです。
(2010年に原著が刊行されて、昨年、翻訳が出た
 『グレン・グールド シークレット・ライフ』で
 すでに言及されているようですが、未購入)


使用された映像の中には
上記『27歳の記憶』からの引用や、
『ザ・グレン・グールド・コレクション』(1987)で
観ることのできる映像もありますが、
こちらの知らない珍しい映像もあり、
興味津々でした。

個人的には、ラジオドキュメンタリー
『北の理念』(1967)の録音風景とか、
短篇映画『ためらいの美徳』(1956年撮影)の
出演シーンとかの映像を観て、
おおっと思ったことでした。

あと最後の、グールドの葬儀のシーンは
すごいなあと思いますね。国葬並みです。


グールドは完璧主義者というか
しきり屋というか、
自分が関わるものや作品に対しては
隅々まで自分のこだわりを透徹させずには
いられなかった人であることが
今回の映画を観るとよく分かります。

それが、結婚まで考えた女性との関係を
破綻させることになるわけですが、
そこらへんは、実にありふれた普通の男
という感じがされて、
哀しく感じると同時に、新鮮でもありました。

あと、両親との関係も
最後はうまくいってなかったようで
そこらへんも、いろいろと
考えさせられるものがありました。


ほんとのほんとに伝記映画ですので
グールドに興味のない人には
退屈だと思います。

でもまあ、グールドの生涯が
さっくり分かる作りになってますので
コアなファンというわけではないけれど
グールドに興味のある人には
おススメか、と。

自分もコアなファンというわけではないので
いろいろ再確認できて、勉強になりました。

まあ、勉強するために映画を観るのもヘンですが、
ドキュメンタリー映画について語れるほど
このジャンルの作品を観ているわけでもないし、
ドキュメンタリー映画としての出来映えを
云々することはできませんので、
あしからず御了承くださいまし。


東京都内では、
渋谷アップリンクで2月3日まで公開。

$圏外の日乘-アップリンク・カフェレストラン

上の写真は1階カフェ・レストランの入口で
劇場はこの右横から入ることになります。

こちらは映画館ではなく
普通のビルでの自主上映という形で、
椅子は適当に並べたリクライニングシート、
スクリーンはホームシアターより
ちょい大きいくらい。
でも、音は良かったです。

エンディングの、グールド作曲
「フーガを書いてみたいな」も、
幕間の、グールドがオルガンで演奏する
バッハ『フーガの技法』も
たいへんきれいでした。
特に「フーガを書いてみたいな」の
音のクリアさに驚き、曲を見直しました。

下の写真、右がパンフで
左がフライヤーです。

$圏外の日乘-グールド映画パンフ

もう、直輸入盤 Blu-ray は
出ているようですが、
国内盤が出たら(DVDでもいいけど)
買うかなあ、やっぱり(藁