
(佐藤高子・渡辺南都子訳、ハヤカワ文庫FT、1981.1.31)
古本で恐縮ですが、
(30年前の本だよ~【 ̄ー ̄;)
今年の干支にちなんで読んでみました。
ちなみに今回が初読です(^^;ゞ
収録作家は
ライマン・フランク・ボーム、
イーディス・ネズビット、
G・K・チェスタートン、
ロバート・ブロック、
L・P・ハートリイの5人6作品。
『オズの魔法使い』で有名なボームのみ
『魔法がいっぱい!』から
2つのエピソードがとられているので
全6編となります。
そのボームの、
モーの国という異世界を舞台とした
連作ファンタジーの第2章に当たる
「王さまの首とムラサキ・ドラゴン」が、
ドラゴン退治の話をモチーフとしながら、
シュールで、すごかった~!
これは傑作だ! と思ってたら、
同作品を収録した『魔法がいっぱい!』も
たまたま持ってたので、
(そちらもハヤカワ文庫FT)
これから読み終わるのが楽しみです。
ちなみにボーム作で入っている、もうひとつ
「ムラサキ・ドラゴンの最期」は
(こちらは『魔法がいっぱい!』の最終章)
シュールさでは、今イチでした(苦笑)
アニメ『おねがい! サミアどん』の原作である
『砂の妖精』の作者として有名な
(自分はアニメの方は未見ですが【^^;ゞ)
ネズビットの「最後のドラゴン」は、
ドラゴン絡みの話ばかりを収めた
『ドラゴンがいっぱい!』(講談社青い鳥文庫)
という本にも訳されています。
これまたドラゴン退治物語を
ひとひねりした話で、
最後のオチを読むと
飛行機を観るたびに
ドラゴンに想いを馳せるようになること
請け合いです。
チェスタートンの「竜とカクレンボ」は、
象徴の意味を解こうとすると
面倒なのでしませんが(^^;ゞ
奇妙な味わいがあって、
ガブリエル・ゲイルの雰囲気もあったり。
(ガブリエル・ゲイルは
『詩人と狂人たち』という
超傑作短編集の
シリーズ・キャラクターです)
映画『サイコ』の原作者として知られる
ブロックの「ドラゴンの執念」は、
作家のイメージからすれば
珍しくユーモラスな、アメリカ風ほら話。
いちばんマイナーかと思われる
(怪奇小説ファンなら
名前くらいは知っているはずですがw)
ハートリイの「コンラッドと竜」は
諷刺の効いた味わい深い話でした。
チェスタートンが収録されているので
買っておいた次第ですが、
いちばん感心したのは
ボームだったり(苦笑)
とはいえ、お気に入りの作家以外に
知らない作家や秀作にめぐり逢うことこそ
アンソロジーの醍醐味です(^-^)
ちなみにカバーと口絵、本文イラストは
アニメやゲームのキャラデザなどで
知る人ぞ知る、天野嘉孝です。