久しぶりにクラシックのCDを買いました。

ディスクユニオン(要するに中古)で(^^;ゞ

最近、金欠でねえ……(遠い目)


冬期講習の仕事で行く横浜のディスクユニオン、
まあ、今日も代わり映えしないだろうなあ
と思いながら、バッハの棚を見ていたら
フルート・ソナタのマニアックなものが!

$圏外の日乘-『J. S. バッハ:フルートのための四つのソナタ』
(ラメー RAM-0404、2005)

原盤のタイトルは
Johann Sebastian Bach: A Flauto Traverso
録音は2004年5月、ベルギーの Flawinne 城。

フラウト・トラヴェルソ(横吹フルート)は
ベネデク・チャログ、
鍵盤楽器はミクローシュ・シュパーニ。
ハンガリー古楽界を代表する演奏家だそうです。

ラメー(RAMEE、最初のEにアクサンテギュ)
というレーベルの商品を、
マーキュリーが輸入したものなので
日本語解説付きです。

J・S・バッハの真作とされる
四つのフルート・ソナタを
チェンバロとは異なる鍵盤楽器を
組み合わせて録音しています。

もう、それだけでマニアックでしょ(藁

なにと組み合わせているかといえば、
フルートと通奏低音のためのソナタ
BWV 1034 と 1035 の通奏低音部分を
クラヴィコードのみで演奏。
フルートとオブリガート鍵盤のためのソナタ
BWV 1030 と 1032 を
ジルバーマン作成のフォルテピアノ
(のコピー)でサポートしています。

オブリガート(欠かせない、という意味)を
サポートというのは間違ってますけど、お許しあれ。


通奏低音付きのソナタを
クラヴィコードだけでサポートする
というのは、チョー意外でしたけれど、
これは、なかなか良かったです。

通奏低音というのは、普通は
チェンバロと低音域弦楽器(チェロとか)
というふうに楽器2つで
演奏されるのです。

近代の、ピアノ伴奏のフルート・ソナタと
変わらないじゃん、といわれれば
それまでですが(苦笑)

クラヴィコードはピアノのように
音の強弱が表現できますが、
(発音システムがピアノと同じなのです)
音が小さいためにコンサートには向かない、
鍵盤奏者が練習用に使う楽器
というイメージがありまして、
録音にも向かないようなことが
ままある楽器なんですが、
この盤では割とちゃんと聞こえてます。

これはすごい!

解説(原盤からの翻訳)には
「フレット無しの大きなクラヴィコード」
The large unfretted clavichords
なんて表現も出てきます。
だからフルートと拮抗できるんでしょうけど、
「大きなクラヴィコード」って
どういうシロモのなのか、
普通のクラヴィコードとどう違うのか、
これは写真付きで説明が欲しいところ。
(原盤のライナーにも全体写真がない)

いや、ほんと、
クラヴィコード演奏の録音って
音のバランスの微妙なものが多いので
(あの、レオンハルトのものですら!)
フルートの伴奏をするなんて、びっくりです。


ジルバーマン・ピアノが関わるソナタも
いわゆる普通のピアノ・ソナタと
変わらないわけですが、
近代のピアノと違って音が大きくないので、
チェンバロと変わらない感じでありながら
音は微妙にピアノに近いという
それこそ微妙な感じがする演奏です。

名曲 BWV 1030 の演奏を聴くと
ジルバーマン・ピアノな感じが
とてもよく聴き取れるような気がしたり。

ディスクユニオンで売ってたわけですから、
聴いた上で、合わないと思った人が
手放したんでしょうけど、
まあ、自分的にはこれはこれでいいか、と(藁


演奏のテンポはゆっくりめ。
ブリュッヘンとレオンハルトの演奏
近い印象です。


ちなみにフルートも、
曲によって変えているようです。

BWV 1030 と 1032 は
明るい音色のクヴァンツ・モデルの復元楽器、
BWV 1034 と 1035 は
フランスとドイツのモデルをベースとする復元楽器
なんだとか。

なるほどそれで、ブリュッヘンの演奏は
音色がくすんだ感じだったのかと
ここにきて納得された気がしたりして。

あくまでも個人の印象ですが(藁

フランスとドイツのモデルをベースって、
どっちなんだと詰め寄りたくなりますし(苦笑)
クヴァンツが音楽史上どういう人かは
それなりに知っていますけれど、
クヴァンツ・モデルのフルートが
どういうものか、
実物はもとより知識としても
知りませんしね(^^;ゞ