先に紹介したステファニー・ピントフの
『ピグマリオンの冷笑』というミステリは、
いうまでもなく
ピグマリオン神話を基にしています。

ピグマリオンといわれて
自分が思い出すのは、
昔テレビで観た
オードリー・ヘップバーン主演の映画
『マイ・フェア・レディ』
(原作はバーナード・ショー)と
メアリ・シェリーの小説『フランケンシュタイン』、
そしてジャン=フィリップ・ラモーのオペラです。

あと、先ごろ亡くなったまんが家
和田慎二の『ピグマリオン』かな。
残念ながら、読んだことないので、
どういう内容か分かりませんが……


というわけで、今回紹介するのは
なぜか聴いているし、持ってもいる
フランス・バロック時代の作曲家
ジャン=フィリップ・ラモーのオペラ
『ピグマリオン』です。

まあ、自分が古楽にハマるきっかけになった
オーセンティック・ベスト50にあるだけでなく、
グスタフ・レオンハルト指揮ということで
購入した1枚です。

$圏外の日乘-『ラモー:オペラ「ピグマリオン」』
(BMGビクター BVCD-1817、1992.5.21)

写真左が、オーセンティック・ベスト50の
アウター・ジャケット(タスキ)で、
録音は1980年10月1~5日です。


本CDは、名盤として評価は高く、
いつも参考にしている皆川達夫の
『ルネサンス・バロック名曲名盤100』
(音楽之友社 ON BOOKS、1992)にも
あげられていますが、
自分的には、オペラは食わず嫌いなので、
めったに聴きません。

『ピグマリオンの冷笑』を読んで
思い立って、久しぶりに聴いてみました。


ピグマリオンの話は
もともとギリシャ神話に由来しています。
キプロス島の王ピグマリオンが
理想の女性を彫った像ガラテアに恋してしまい、
像から離れず衰弱していくのを見かねて
アプロディーテーが彫像に生命を与えた
という話のようです。(Wikipedia 調べw)

その後の戯曲などでは
ピグマリオンは彫刻家というような
位置づけになっていて、
自分が造った彫像に恋するという、
いってみれば現代の
二次元コンプレックス・ヲタクの
(彫像ですから三次元なのかな?)
元祖のような奴になってます(苦笑)

ラモーのオペラでは
ピグマリオンの恋人セフィーズ
というのも登場して、
ピグマリオンの変節を悲しむ
という場面もあります。

ピグマリオンは、彫像が生命を得たのは
愛神(キューピット)の勝利だと
喜んでいるわけですがね(苦笑)


今回、久しぶりに聴き直しても、
演奏の良さがどの程度かは分かりません。
オペラ、食わず嫌いだし(しつこいw)

合唱には、古楽の合唱では有名な
フィリップ・ヘレヴェッへが指揮する
パリ・シャペル・ロワイヤル合唱団が参加しており、
買った時は意識しなかったけど、
(ヘレヴェッへがどういう人か知らなかったし【苦笑】)
ヘレヴェッへの最初期の録音のようです。

器楽演奏はラ・プティット・バンド。
日本人女性ヴァイオリニストが
2人参加しています。

このオペラ、バレ(バレー)付きなので、
いくら名演とはいえ
CDよりもDVDで観たいな~
という感じですね。