ゲイル・キャリガーの
〈英国パラソル奇譚〉シリーズ第1作、
ハヤカワ文庫挟み込みのフライヤーで知って、
面白そうだったので、読んでみました。

(2009/川野靖子訳、ハヤカワ文庫FT、2011.4.15)
吸血鬼や人狼(狼男)が
普通の人間と共存している
(異形のものが社会的存在として共存している)
ヴィクトリア朝のイギリスを舞台とする
冒険小説です。
「倫敦」は「ロンドン」と読みます。
(老爺心ながら、念のため)
主人公のアレクシアは
魂なき者 soulless(これが原題)で
接触するだけで
吸血鬼や人狼の能力を無化してしまう
能力の持ち主。
アレクシアは
イタリア人の血を引いた
26歳のオールドミスで、
(ヴィクトリア朝においては
この年ですでに
オールドミスと言われたのです)
父親から引き継いだ蔵書を読み、
知的好奇心が強いという、
当時の標準的な女性からは
かなり懸け離れた存在でした。
アレクシアは〈魂なき者〉として
ロンドンの異能者たち(吸血鬼や人狼)には
知られた存在でしたが、
ある社交パーティー会場で
吸血鬼に襲われながら、
逆に殺してしまいます。
ちゃんとした吸血鬼なら、
たとえ、はぐれ吸血鬼だとしても
アレクシアを襲うはずはない。
なぜ、それはアレクシアを襲ったのか。
この事件をきっかけに
主として人狼によって結成された
異能管理局が乗り出し、
恐るべき陰謀が明らかとなっていく
というお話です。
異能管理局の長である
人狼のコナル・マコン卿と
アレクシアは犬猿の仲ですが、
実はお互いに気になる存在であり、
アレクシアとマコン卿との恋の行方が
物語に彩りを添えています。
この二人の恋模様の描写は
かなりエロティックな感じなんですが、
さほど露骨にも下品にもなってないのは
ユーモアが効いているからでしょうか。
健全な(?)エロティック描写が
何度も繰り返されるのには
ちょっとびっくりでした。
エピローグの馬車内のシーンなんて
最近はここまで書くのかと
殊にびっくりさせられました。
こういうタイプの小説を
ロマンス小説のジャンルでは
パラノーマルというらしい。
ノーマルじゃない、異能者が登場する
ファンタジーのことだそうですが、
一方、SFのジャンルとしては
スチームパンクにあたりましょうか。
本書には、最初にも示した通り
「英国パラソル奇譚」という
シリーズ・タイトルがあり、
(原作だと The Parasol Protectorate )
まさにそういう冒険奇譚が好きな人向け
キャラ萌え小説好きな人向けですが、
パラノーマルがロマンス小説のジャンルだと知り、
なるほど、出来のいいロマンスかと
思ったことでした。
日本だとまず、まんがかアニメかラノベで
書かれるようなタイプの小説かと思います。
(ちょっと偏見ありw)
ラノベの場合、26歳の
年相応のヒロインというのは
あまり、なさそうだけど。
(またもや偏見あり【苦笑】)
面白いことは面白いんだけど
自分的には、キャラよりも
ミステリとしてのプロットに
意を注いでほしいなあ
という感じでしょうか。
(ミステリ・ファンなので f^^ )
とかいいながら、シリーズ第2作の翻訳
『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』を
買っちゃったんですけど(^^ゞ
〈英国パラソル奇譚〉シリーズ第1作、
ハヤカワ文庫挟み込みのフライヤーで知って、
面白そうだったので、読んでみました。

(2009/川野靖子訳、ハヤカワ文庫FT、2011.4.15)
吸血鬼や人狼(狼男)が
普通の人間と共存している
(異形のものが社会的存在として共存している)
ヴィクトリア朝のイギリスを舞台とする
冒険小説です。
「倫敦」は「ロンドン」と読みます。
(老爺心ながら、念のため)
主人公のアレクシアは
魂なき者 soulless(これが原題)で
接触するだけで
吸血鬼や人狼の能力を無化してしまう
能力の持ち主。
アレクシアは
イタリア人の血を引いた
26歳のオールドミスで、
(ヴィクトリア朝においては
この年ですでに
オールドミスと言われたのです)
父親から引き継いだ蔵書を読み、
知的好奇心が強いという、
当時の標準的な女性からは
かなり懸け離れた存在でした。
アレクシアは〈魂なき者〉として
ロンドンの異能者たち(吸血鬼や人狼)には
知られた存在でしたが、
ある社交パーティー会場で
吸血鬼に襲われながら、
逆に殺してしまいます。
ちゃんとした吸血鬼なら、
たとえ、はぐれ吸血鬼だとしても
アレクシアを襲うはずはない。
なぜ、それはアレクシアを襲ったのか。
この事件をきっかけに
主として人狼によって結成された
異能管理局が乗り出し、
恐るべき陰謀が明らかとなっていく
というお話です。
異能管理局の長である
人狼のコナル・マコン卿と
アレクシアは犬猿の仲ですが、
実はお互いに気になる存在であり、
アレクシアとマコン卿との恋の行方が
物語に彩りを添えています。
この二人の恋模様の描写は
かなりエロティックな感じなんですが、
さほど露骨にも下品にもなってないのは
ユーモアが効いているからでしょうか。
健全な(?)エロティック描写が
何度も繰り返されるのには
ちょっとびっくりでした。
エピローグの馬車内のシーンなんて
最近はここまで書くのかと
殊にびっくりさせられました。
こういうタイプの小説を
ロマンス小説のジャンルでは
パラノーマルというらしい。
ノーマルじゃない、異能者が登場する
ファンタジーのことだそうですが、
一方、SFのジャンルとしては
スチームパンクにあたりましょうか。
本書には、最初にも示した通り
「英国パラソル奇譚」という
シリーズ・タイトルがあり、
(原作だと The Parasol Protectorate )
まさにそういう冒険奇譚が好きな人向け
キャラ萌え小説好きな人向けですが、
パラノーマルがロマンス小説のジャンルだと知り、
なるほど、出来のいいロマンスかと
思ったことでした。
日本だとまず、まんがかアニメかラノベで
書かれるようなタイプの小説かと思います。
(ちょっと偏見ありw)
ラノベの場合、26歳の
年相応のヒロインというのは
あまり、なさそうだけど。
(またもや偏見あり【苦笑】)
面白いことは面白いんだけど
自分的には、キャラよりも
ミステリとしてのプロットに
意を注いでほしいなあ
という感じでしょうか。
(ミステリ・ファンなので f^^ )
とかいいながら、シリーズ第2作の翻訳
『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』を
買っちゃったんですけど(^^ゞ