あいかわらずバッハの話題なぞ。


最近は新譜CDショップから足が遠のいてますが
ひと頃は気が向くと立ち寄って
バッハやバロックのコーナーを見てました。
そのとき見つけたCDです。

$圏外の日乘-ラダーマー『ゴルトベルク変奏曲』
(SONY CLASSICAL SK 60257、1996)

買ったのは輸入盤で、後に日本盤が
同じソニーから出ています。

アメリカのクラシック・ギタリスト
カート・ラダーマーによる演奏です。

録音年は原盤には記されておらず、
ネットで検索してみたところ
1994年6月~1996年1月のようです。

ラダーマーの父親が
グレン・グールドのファンで、
その影響でグールドのバッハ演奏に親しみ、
グールドが弾いているように
ギターで弾けないか、と考えて
編曲したそうです。

ギター1本では原曲の声部を
弾き分けられないので、
ギターを2本使い、
4トラックを弾き分けるという
多重録音によって完成させたようです。

だから録音に2年もかかったんですかね。

音は、残響音を極力排除した感じで、
チェンバロのような華麗さはありません。

チェンバロに対して昔はよく
音量に乏しく強弱がつけられない楽器
というふうに思われていたそうですが、
そういう音がまさにこんな感じかなあ
という気もしないでもなかったり。

アコギがエフェクターによる増幅なしで
耳元で鳴っている感じとでもいいましょうか。

ギターの弦を爪弾いた時の揺らぎが
なかなかいい感じです。

速いパッセージは、とにかく速い。
第5変奏や第8変奏、
第17、20、23、28、29変奏を聴くと、
びっくりさせられること請け合いです。