まだあるマックス・レーガーの連弾版バッハ(藁

$圏外の日乘-連弾版 ゴルトベルク変奏曲
(ソニー・ミュージックエンタテインメント
 SICC-1267、2009.11.25)

演奏は、ヤアラ・タールと
アンドレアス・グロートホイゼン(夫婦?)
録音は2009年4月です。

これはレーガーの単独アレンジ
というわけではなく、
ヨーゼフ・ラインベルガーという作曲家が
1883年に2台のピアノ用に編曲したものを出し、
1915年になってレーガーが
それに自分の解釈を付け加えた
という成立過程を経た版です。

いわば二重の編曲版
ということになるわけですが、
ライナーによれば、さらに奏者たちの
「現代のバロック音楽理解に基づいた
彼ら独自のコンセプトを与え」られていて
「オリジナルに再接近していると同時に
ラインベルガーのロマン主義と
レーガーの心理学的解釈も活かしている」
とのことです。

要するにラインベルガー = レーガー編曲の
再現演奏ではなく、リ・アレンジ演奏
というわけです。

もちろん楽譜通りに弾くという演奏法が、
すでに過去のものになっていることは
知っていますし、
杓子定規な考え方では
音楽を楽しむことには
ならないのでしょうけれど、
リ・アレンジというのには
何となく釈然としないものがあって、
買いは買いましたが、
実はあまり聴かない1枚だったりします(^^;ゞ

オリジナルとは違う印象的な楽章もありますが、
全体的にピアノ独奏やチェンバロ独奏と
著しく違うという感じではないことも、
あまり聴かない理由のひとつです。

これを聴くんなら、バッハのオリジナルの
チェンバロ演奏の方を聴くよ、ということですね。

そもそもゴルトベルク変奏曲というのは、
主旋律が変奏されていくのではなくて
低音部が変奏されていくという曲なので、
ただでさえ、変奏曲としてより
メロディアスな単旋律的な曲として
聴いてしまうようなところがあるんですが
(素人の耳の浅はかさ【汗】)
ではラインベルガー = レーガーの編曲版で聴くと
その低音部の変奏がクリアに聴き取れるかといえば
そうではない(と思う)ので、
やっぱりあまり聴かないというところに
落ち着くわけです(苦笑)