$圏外の日乘-『シルバー仮面』VOL.1
(ハミング HUM-201、2011.4.22)

4月22日に全6巻、一挙に発売されましたが、
とりあえず、特典映像のついている1巻と
初回限定特別小冊子が封入されている2巻を
購入しました。


『シルバー仮面』は
1971(昭和46)年11月28日から
翌年の5月21日まで
TBS系で日曜19:00から放送された、
70年代を代表する
カルト特撮ドラマのひとつです。

当初、等身大ヒーローだったんですが、
後に(第11話から)巨大化して
番組名も『シルバー仮面ジャイアント』と
変わりました。
DVDの1~2巻には
等身大時代の10編が収録されています。

本放送の頃、ライブで観ていたかどうか、
その記憶は曖昧なのですが、
もしかしたら『ミラーマン』
(1971.12.5~72.11.26)の方を
観てたかもしれません。

それでもなぜか
『アイアンキング』(1974)と共に
非常に印象に残っている作品のひとつです。

以前、LDが出た時に買い損ね、
DVDでの発売も買い損ねてましたが、
今回、もはやこれが最後だろうと思い、
バラ売りの上、お値段もリーズナブルなので、
とにかく特典付きの分だけでもと思い、
懐に無理を承知で購入しました。


昔、LDが出た時に
伝手を頼ってダビングしてもらって
全エピソードを、いちおう観てはいます。
今回改めて1話ずつ観直してるんですが
やっぱすごいわ~。

特撮としての映像がすごいのではなく
(映像も、ある意味すごいのですが)
ストーリーが、とにかく暗い(苦笑)
さすがカルトというか、時代を反映してます。

実相寺昭雄監督・佐々木守脚本の
第1話「ふるさとは地球」では、
アバンタイトル冒頭数分の夜景シーンは
何が映っているか分からないと
皮肉まじりにいわれることもありますが、
今回観てみると、そうでもない。
少なくとも、何が映っているのかは分かる(藁

春日博士邸の表札看板に
「キ**イ」といたずら書きされていたとは!
今回初めて気づきました。

第2話のキルギス星人の話もすごいが、
市川森一脚本の第4話、第5話は
もう、笑っちゃうほど救いがないです。

第4話「はてしなき旅」(1971.12.19 放送)は
SFドラマとしてみても
優れたアイデアが出てきますが、
娘がカトリックの学校に通う博士が出てきて、
宇宙人を悪魔の象徴として描いており、
有名な『帰ってきたウルトラマン』第31話
(1971.11.5 放送)の
ゼラン星人とプルーマの話を彷彿とさせます。
(『帰りマン』第31話も市川脚本)

ピューマ星人にさらわれた少女が
劣勢のシルバー仮面を見て
「シルバー!」と励ますのは
ドラマの展開上おかしいと思うのですが、
きっと編集でカットされた部分に
名前を教わるシーンがあるんでしょう(苦笑)

少女の父である科学者を演じるのが
映画『仮面ライダー対ショッカー』(1972)でおなじみ
伊豆肇というのも、個人的にはキモですね。

第5話「明日のひとみは....」は
東野英心(テロップでは孝彦)と
夏純子の交感がキモです。

ちなみにこの回の予告編映像は
本編でカットされたものが使われてます。
これも今回初めて(改めて? w)気づきました。


シルバー仮面は、特に等身大の時は
変身ポーズもアクションも地味なので、
(てか、アクションらしいアクションがない)
いわゆる小さいお友達には
ウケないだろうとは思います。
これを面白がる自分の視点は
大人目線だろうと思いますが、
こういうの好きです。

『仮面ライダー』だって
旧1号時代はカルトだったし、暗かったのです。
『帰りマン』だって暗かった。
(それをいうなら『ウルトラセブン』だってw)
そういうカルトで暗い時代に
特撮ドラマの洗礼を受けた人間には
たまらない魅力を持ったシリーズなのです。

この6月には
『アイアンキング』の廉価版DVDも出る様子。
こちらは本放送時、ライブで観てたし、
当時、主題歌のレコード(ドーナツ盤)も
買ってましたので、実に楽しみ~。