
(光文社、2011年1月25日発行)
若竹七海、待望の新刊は、
おなじみの架空都市・神奈川県葉崎市の外れ、
葉崎半島の沖にある
(といっても、干潮時には歩いて渡れる)
砂渡島こと通称〈猫島〉を舞台に、
猫島臨時派出所に務める巡査・七瀬晃と
派出所に住み着いている猫のDCを主人公とした
連作ミステリです。
若竹は以前、
『猫島ハウスの騒動』(2006)
という長編を刊行していて、
七瀬巡査はそちらでも登場していました。
要するにそちらからスピンオフした
シリーズというわけですな。

写真左は最初のカッパ・ノベルス版、
右は光文社文庫版です。
別に中身がいじってあったり
おまけがついてたり
というわけではないはずですが
なぜか2冊持ってました(^^;ゞ
ノベルス版のオビのイラスト処理が
ちょっと面白いですね。
文庫版には柴田よしきの解説が付いていて、
コージー・ミステリとはどういうタイプの作品か
が説明されているので、ちょっとおトクかも。
それはともかく、2冊も持っているくせに
内容の方はすっかり忘れてますが
(確か、読んだはず……【苦笑】)
そういうこと関係なしに楽しめます。
自分は、コージー・ミステリでは
もはや定番の設定でもある
猫が探偵役のミステリってやつは、
基本的に敬遠したい方なんです。
だからしぶしぶ読み始めたのですが、
(なんじゃそりゃ~)
ゆる~い連作長編趣向と
途中の数編の、出だしやオチが
なかなか良くて、楽しめました。
なんか、内輪ネタ
としかいいようのないギャグも
目についたりしましたが……
(スパ・リゾートの看板にある
「歓迎 北村一男さまの定年退職を祝う会さま」
とかね【苦笑】)
まあ、猫ミス
(なんて言い方があるのかどうか知りませんが)
が嫌いでなければ、そこそこ楽しめるかと。
お気に入りは今のところ
「ポリス猫DCと南洋の仮面」かなあ。
「ポリス猫DCと女王陛下の秘密」のオチ
(というよりサゲ? いっしょかw)も、
なかなかでした。