
(中公文庫、2001年10月25日発行)
NHK FMシアターでドラマになった際、
谷山浩子が主題歌と挿入曲を担当したことは
前に書いたとおりです。
というわけで読んでみました。
置いてないかなあと思って、
近所のBOOK-OFFを覗いてみたら、
ちょうどあったので(苦笑)
ただし、2004年6月発行の11刷です。
当然オビなし。
まあ、105円だから、仕方がない。
(おまけにセールか何かで94円になった)
初版・完本にこだわらなければ
BOOK-OFFさまさまです(^^ゞ
川上弘美の小説で
これまで読んだことがあるのは、
『センセイの鞄』と『パレード』、
その余勢を駆って
『ニシノユキヒコの恋と冒険』くらい。
『センセイの鞄』は人に勧められて読みました。
(もちろん、気になる女の子に勧められてw)
面白かったけど、
そもそもの読み始める動機からして
よこしまだったせいなのか(苦笑)
続けて読み漁るということは、なかったですね。
で、『神様』ですが、面白かったです。
原稿用紙で10枚前後の話を読むのは、
『追跡する数学者』(新潮文庫)という
めんどくさい長編小説を読んだ後だったので、
(感想を書くのもめんどくさい、というのが感想ですw)
気分的にもリラックスさせてくれて、
ちょうど良かったです。
谷山浩子の世界観と実によくフィットしているような、
微妙にズレているような感じでしたが、
印象としては、
わかつきめぐみや坂田靖子が描くような
(少し前なら大島弓子の名前をあげそうな)
まんがみたいだなあ、という感じ。
ひとつひとつが短いから、
気軽に読み返せるんですけど、
気に入った作品は何度も読み返したくなる
というあたりが、
まんがを読んでいる時の感覚に近いんですよね。
「河童玉」なんかは、
語り手の友人ウテナさんの
所作の雰囲気・擬音が、実にまんがちっく。
読んでて楽しいです。
谷山浩子が挿入曲のタイトルにした「花野」は
5年前に死んだ叔父さんが、何度も甦ってきて、
語り手と、ほのぼのとした会話を交わす話でした。
これなんか、坂田靖子がまんがにすると
ほのぼのとハジけそうで、面白いかもしんない。
「離さない」は人魚を拾う話ですが、
これはホラーでした。怖かった。
いちばんエンタメしてます。
(エンタメとはエンターテインメントのことね。念のため)
Wiki で経歴なんかを見てたら、
SFな人だったことを知って、すごく腑に落ちました。
いわゆるハードSFじゃなく、奇譚系のSF
(そういういい方があるかどうか知らないけど)
という印象もあったので。
全9作品中、「星の光は昔の光」以外の8編が好きです。
中でも
「夏休み」(これは、わかつきめぐみに描いてほしいw)
「花野」(これは、前にも書いたとおり坂田靖子にw)
「河童玉」(これは、須藤真澄あたりに。あたりって失礼だがw)
がベスト3かなあ。
番外(ってなんだ、それw)で
「離さない」も捨てがたいっ(> <)b