
(アルファベータ、2010年7月20日発行)
仕事帰りに寄った新宿のタワレコで見つけました。
鈴木淳史(あつふみ)の本は
たまたま何冊か持ってますが、
毒舌というほどではないんだけど、
バッサバッサと小気味よく切っていく語り口は
割と好きです。
かといって熱狂的なファンというわけではなくて、
たまたま面白そうだと思って手に取ると、
たまたまこの人の本だということが多いです。
今回も、レオンハルトやアーノンクールを
俎上にあげてているので、あがなった次第。
俎上にあげた指揮者・演奏家を
まずは論告側が異端として批判した後に、
続いて弁護側がその良さを語るというコンセプト。
取り上げられているのは13人+1団体。
そのうち知っているのは6人+1団体ですから、
半分は見たか聞いたか(聴いたか)しているわけで、
(そのうち、古楽系は5人)
これは半可通としては、いいとこいってんじゃね?(藁
レオンハルトは、ゴルトベルク変奏曲(1976)と
モーツァルトのピアノ・ソナタ集が
論告側のやり玉に上げられています。

(BMGビクター BVCC-5153、1991.1.21)
モーツァルトのピアノ・ソナタ集については
弁護側も弁護に困ったという感じですが、
これについては自分も同感で、
レオンハルトのCDの中でも、めったに聴かない1枚です。
たま~に聴くと、ああ、聴くんじゃなかった、
と思っちゃうような1枚(藁
レオンハルトの演奏というと
「峻厳」とか「固苦しい」という
言われ方をすることが多いのですが、
本書では、レオンハルトは
実は「ロマンティックな演奏家」なんじゃないか、
と評しているのが面白いですね。
いわれてみれば、
昔、レオンハルトのコンサートに行った時、
アンコールで引いたのはゴルトベルク変奏曲の内で
いちばんロマンティックな感じのする
第25変奏だったことが思い出されます。
レオンハルトがバッハを演じた映画
『アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記』(1967)でも
第25変奏が演奏されていて、
何でこれなんだろうと思った記憶もありますが、
監督やシナリオの指示でもあるんでしょうけど、
要するに好きなんでしょうかね。
本の後半には
「クラシック音楽 微妙系」というのが載っていて、
そちらは、取り上げられた8人中1人しか知らないし、
どれも聴いたことないです(^^;ゞ
でもまあ、紹介記事を読んでいると面白そうで、
何枚か、注文しちゃいました(^^ゞ
よく知らない演奏家でも、
聴いてみようという気にさせる語り口が、
毎度のことながら面白く、
作曲者や曲を知らなくても楽しめます。
オススメですよん。
ところで、タワレコからの帰り、
J-POP 売り場のブースでイベントをやっていて、
女の子のユニット(グループ?)の歌を応援する
ヲタ芸(PHPHPH...)を耳にして、
懐かしくも微笑ましく思ったことでしたが、
あれは何のイベントだったのだろう???
ちょっと気になる(^^ゞ