
(2009年8月5日、ポプラ社 PIANISSIMO COMICS)
『ひみつの階段』は、かつて
偕成社のファンタジーコミックスから
2巻本で出ていたものです。
(手許にすぐ出てくる第2巻は1998年7月刊。
第1巻、行方不明【涙】)
たまたま第1巻を手にとって、
その世界観にハマってしまったことを
昨日のことのように思い出します。
(かといって、いつ読んだかまでは
まったく憶えていませんがw)
それが、ポプラ社から新装版で、
しかも完全版で出ていると知り、
あわてて買いました。
小論文の採点しながら、
ホワイトで修正する部分が出るたびに
乾く間に、と思って読みましたが、
やっぱ、いいわ~、これ。
もともと、女子のコミュニティものというか、
下宿とか寄宿舎という空間を舞台にした
オムニバス形式の話って好きなんですが、
このシリーズはさらに、
幽霊が出るような古い寄宿舎を舞台に、
思春期の(女子の……乙女のw)きらめきと、
ファンタジックな世界が同居していて、
それが、くどくない描線で描かれていて、
少女まんが好きオヤジのハートを
撃ち抜いたのでした(藁
制服がクラシックな感じなのが何とも。
こういう制服、自分の時代にもあったし。
作中に出てくるような寄宿舎っぽい校舎も、
自分が高校生の時代には、
旧校舎として部分的ながらあったし。
(2Fが、自分が入っていた文芸部の部室でした)
寄宿舎が夜になると少女たちの夢をみていて、
それが現実の少女たちには幽霊のように見える
というアイデアは、先行作品がありそうですが、
(ジャック・フィニイとかが書いてそう)
学園ほのぼのファンタジーのネタとして
今回読み直してもいいなあと思ったことでした。
現在の生徒だけでなく、
大人(教師)の生徒時代の話もあるのがいい。
あと、各エピソードが時系列順に収録されてなくて、
全体的にはパズルのように、登場人物の過去や現在が
相互に関連している展開にも、惚れました。
あ、この人、前に見たことがある、とか
あ、この娘、現在のこの人だったか、て感じでね。
キャラの描き分けが今イチなんで、
こいつ誰? と思うことも、
たまにありますが(苦笑)
それに今回、初めて見ましたが、
主要キャラクターの一人、夏ちゃんが
ああいうラストを迎えてたとは!
買っといて良かった~(///∇//)
今、奥付の初出を見て気づいたけど、
偕成社版の後にポプラ社版が出てたんですね。
自分はそれ知らない、てか買わなかった。
夏ちゃんの感動的なラストは、
そちらに入ってたのね(しみじみ)
新宿のジュンク堂の本には
上の写真にアップしたように
フライヤーが付いてました。
例によって初版オビ付きにこだわったので
(お気に入りのシリーズなのでなおさらw)
1巻はジュンク堂で、
2巻は神保町の書泉ブックマートで買うという
変則的なことになりましたが、
初版オビ付きにこだわらなければ
フライヤー付きのは新宿のジュンク堂に
まだあると思います(たぶん)。
少女まんがに慣れていない男子には
ちーと、つらいかもしれませんが、
これはマイ・フェイバリット、超オススメ作品です。