
(ポニーキャニオン PCCA-00370、1992.6.3)
谷山浩子を聴いていたのは
だいたい80年代半ばぐらいまで、
と前に書きましたが、
唯一の例外がこのアルバム。
というのもこれ、
綾辻行人の長編ミステリ
『時計館の殺人』(1991)をモチーフにした曲が
入っているからです。
曲のタイトルは小説と同じ「時計館の殺人」で、
おまけに作詞が綾辻自身。
綾辻はもう1曲、
「気づかれてはいけない」という詞も
書いています。
おまけに、冒頭の「王国」には
当の綾辻がサイド・ヴォーカルで参加しています。
綾辻さん、声が若い(藁
この「王国」、先に御案内の
『白と黒』の黒盤(Disc.2)にも入ってますが、
いい曲です。
ちょっと監禁テーマ入ったダークな曲なんで
黒盤の方なんでしょうね。
これも『時計館』をモチーフにしているのかなあ。
「時計館の殺人」より、
『時計館』のイメージにぴったりの曲だと思います。
一方、『白と黒』の白盤(Disc.1)に入っている
「会いたくて」も、よろしいですな。
恋をしたために、風のような自由さを失った
少年のことを歌った曲です。
出だしのインストと
「♪会いたくて 会いたくて」という
冒頭のフレーズの、
切迫感(あるいは疾走感)あふれるアレンジがカッコいい。
途中で木管(たぶんリコーダー)が入るのもサイコーです。
このアルバムでは、上の2曲と、
「悲しみの時計少女」がお気に入り。
谷山浩子は

『悲しみの時計少女』
(サンリオ、1991)
という
ファンタジーを
書いています。
そちらから
スピンオフした曲
なんでしょうが、
小説の方を読むと、
イメージはかなり違う。
「♪わたしの彼は鳩時計」
という歌詞は
風見鶏に恋した
雌のニワトリを歌った
「恋するニワトリ」を
思い出させます。
あれよりダークで怖い感じのする、
ある意味、典型的な谷山テイストの
暗カワイイ(暗い+カワイイ)ラブソング。
今、聴きながら書いてますが、
ピアノに加えて、チェンバロが伴奏に加わる
「さよならのペガサス」も、いいなあ。
(チェンバロとは! 聴いた当時、意識しなかった…)
これも(自分のイメージする)谷山浩子らしい曲。
これも含めて、お気に入りは4曲にしましょうか。
あ、「落ちてきた少年」もいいなあ。
意識して聴くと、「悲しみの時計少女」の
反歌(?)みたいな感じの曲ですね。
これも加えて5曲にしましょう(藁
その他、「アーク ~きみの夢を見た~」という、
アニメ『姫ちゃんのリボン』の原作者である
水沢めぐみのまんが『空色のメロディ』の
イメージ・アルバムに提供した
「いつか きみと…」のリアレンジ作品が入ってます。
ググってみて知ったのですが、
歌詞が微妙に違うらしいです。
と、かなり語りましたが、
実はこのアルバム、
CDを買ったのではなく、
レンタルしてテープに落として
聴いていましたf(^^;
でも、いっとき、ヘビロテで聴いてましたf(^^)
その甲斐あって(?)
「王国」と「会いたくて」は
ふと口ずさむ率が高い2曲だったりします。
写真のCDは、つい最近
近所のBOOK-OFFで見つけたものです。
見つけた時は、嬉しかったあ:*:・( ̄∀ ̄)・:*: