なんか、持ってるような気がしてたというか、
持ってるといいなーと思っていたんですが、
本の整理をしたら出てきました。f(^_^;

$圏外の日乘-ンパーターピ(外装)

やっぱり外装だけでは何の話か分かりませんね。
(『空とぶゆうれい船』。て、古いな【藁 )
内扉は以下の通り。

$圏外の日乘-ンパーターピ(内扉)

子どもたちのお守り役である犬のナナが
ピーターの影をくわえ取っちゃったとこですね。

以前紹介した『語物スリア』と同じく、
芥川龍之介が途中まで訳して、自殺したので、
残りを友人の菊池寛が訳したものです。

古本屋で買った時の値札が付いたままで、
それによると900円。
安いのかどうか、分かりません。

$圏外の日乘-ピーターとウエンデイ 挿絵のピーターは
 こんな感じ。

 このイラストの
 ピーターは
 やけに幼い感じで、
 ほとんど幼児。
 一方のウェンディは
 まるでハイティーンみたい。

 で、なんと、
 ティンカーベルは
 イラストで
 起こされていません。

 なんでだろーなー?


フック船長は、こんな感じでかろうじて。

$圏外の日乘-ピーターとフツク

(このイラストのヒゲもじゃが
 たぶんフックだと思うのですが……)

前にも御案内のとおり、何と
フック船長はハープシコード奏者だったわけですが、
さすがに1929(昭和4)年の本では、
以下のように訳されています。

「このフツクといふ男も、
 ぜんぜん悪い人ではないのです。
 まへにも私が申しあげたと思ひますが、
 この男は花も愛しますし、音楽の趣味も充分あるのです。
 自分でも、ピアノのやうな楽器、
 その当時はまだ今のピアノのやうな
 立派なものはありませんでしたが、
 それを弾くことも出来ました。」(p.198)

ハープシコード(チェンバロ)は、この時期
まだ日本には入ってきなかったと思いますが、
にも関わらず、当時としてはかなり正確な訳です。

この部分、芥川が訳したんだろうか
とか考えると、楽しいですね。

『アリス物語』に比べると、
かなりギッチリ字が詰まっているので、
おそらく完訳でしょう。


●データ

題名:ピーターパン
(奥付や巻末広告では「ピーター・パン」)
作者:記載なし(!)
訳者:芥川龍之介・菊池寛
版元:文藝春秋社(小学生全集・第34巻)
発行年月日:1929年4月1日