$圏外の日乘-ゆきのはなふる
(白泉社 JETS COMICS、2006.6.3)

先日、ヲ仲間と会う用事があって、
なぜか秋葉原で待ち合わせ(苦笑)
そのアキバの BOOK-OFF で見つけました。

『シシ12ケ月』のカバー袖の刊行リストを見た時、
持ってないかも、と思ったんですが、
やっぱり、持ってなかったです(汗

いっとき、講談社から本が出続けてたので、
ジェッツコミックスはノーチェックでしたし、
本屋に行った時、たまたま出会わないと、
出てることすら知らなかったりするんだよねー。

山の主様(ぬしさま)たちを主人公にした
通称〈主様〉シリーズをまとめたもので、
『シシ12ケ月』と同じく、
土地神の世界を舞台とする
和風ファンタジーです。

鶉山(うずらやま)の主・秋水と
梔子山(くちなしやま)の主・茜姫との
恋の顛末を描いた三部作は
1990(平成2)年から翌年にかけての発表で、
『黄昏時鼎談』(1992/文庫版、2002)に
入っていたのでした。

秋水の従兄弟である雨師の都世(つせ)と
霧吹山の第三姫・風師の揺花(ゆりか)との
やりとりを描いた二部作は
1995(平成7)年から翌年にかけての発表。

雨師は雨を降らせる役目を果たす神様で、
風師は風を吹かせる役目を果たす神様です。

これを含めて、以降の作品は、
読んだ記憶がない……(遠い目)

眉掃山(まゆはきやま)の主・
香珠姫が初登場する
「はるつぼみ桜色」の発表が
2003(平成15)年で、
続けて翌年、雪師の幻宵が初登場する
「あわゆき、ふわり」が発表されて、
その3年後、表題作が書き下ろされて
まとめられたわけです。

シリーズ第1作発表から数えて、何と16年目。
単行本初収録時から数えても14年目。

ずいぶんとまあ。

土地神と側仕えのようなものたちがいて、
騒動を繰り広げるというこれらの話は、
そのほとんどが、恋愛コメディなのですが、
最後の100ページにも及ぶ書き下ろし
「ゆきのはなふる」だけは、自分の読むところ、
〈死〉を寓意的に描いたシリアスな幻想譚でした。

ある日、雪師の幻宵が
池で女の人形を拾うことから始まるこの話、
ロボットもののSFや人形ファンタジーとしても
読めないことはないんですが、
後に「雪花」と名づけられる人形は、
まるで、病気で心を閉ざしたまま、
命が尽きようとしている少女のようで、
そう思うと、人間世界を舞台とした、
時代もののようでもある。

土地神たちが人間くさいので、
余計、そう感じます。

ちょっと泉鏡花みたいなところもあったり。

作品の感触としては、わかつき初期の
「トライアングル・プレイス」(1984発表)を
連想させなくもないですね。


例によってカバー袖の刊行リスト見てたら、
もしかして読んでない(持ってない)かも
というのが、またまたありまして、うーん( ̄ー ̄;)