本棚をあさっていたら出てきました、
花とゆめコミックス版・全6冊。

$圏外の日乘-So What? 1~6

第1巻が1987年3月発行で、
手持ちのは同年12月発行の第5刷。

残りは全部初版で、
第6巻は1989年11月発行です。

完結後の1990年に
第21回星雲賞をコミック部門で受賞しています。
星雲賞というのはSF系の作品に与えられる賞です。

これは多分ジャケ買いですね。
もともと花とゆめコミックス系の作品は
好きでしたが、
わかつき作品を知ったのは、
確かこれが最初でした。

吾妻ひでおや高橋留美子の『うる星やつら』、
坂田靖子なんかを彷彿とさせる作風だと
最初に読んだころは思ってました。

ただ、『うる星やつら』は御存知のとおり、
祭りが終わらない状態の話なんですが、
『So What?』の場合、
いつかは別れの時(大人になる時)が来る
という考え方がベースになっていて、
それが最終回の切なさや感動に
つながっていくように描かれています。

今回思わず読み直してしまったわけですが、
タイムマシンの爆発事故のせいで
異世界から迷い込んできたライムと、
タイムマシンの開発者である秋津島教授の孫娘
暮里阿梨(くれさと・あり)とが、
最初は対立しながらもだんだんと心が触れ合わせ、
お互いを認めあうまでに至りながら、
別れなければならないという切なさが、
見事にあぶり出されていて、
初めて読んだ時と同じ感動を
味わうことができました。

これは阿梨の成長物語でもあるわけですが、
周りにいるのが、いい人ばかりなので、
それに関してはどうかと思いつつ、
他の桜より遅く咲く八重桜のエピソードには
いまだに(今だからこそ? w)
読んでいてホッとさせられますね。

で、吾妻ひでおや坂田靖子の名前を
出したことでも分かるとおり、
単に切ないだけの話じゃないんだな(藁

奇妙なキャラクターが出てきて、
実に見事に笑いを誘うてくれます。

この作品を読んでいる時、
当時通っていた小中学生を教える塾の
同僚の先生(といっても大学生か院生でした)が
わかつきめぐみのファンで、
同人誌を作ってコミケで売っていたと知って
びっくりしたのも、
今となっては良い思い出(藁

『So What?』は現在、下の
文庫版・全4冊で読めます(のはず)。

$圏外の日乘-So What?(文庫版)1~4
(白泉社文庫、1997.6~9)