$圏外の日乘-日本辺境論
(新潮新書、2009年11月20日発行)

この本が出たころは家に引きこもっていたので、
12月になって出ていることに気づきましたが、
その時にはすでに遅し、第3刷。orz

ありえね~だろ~、
ひと月も経たない内に第3刷なんて(怒
初版何部刷ってたんだよっ(怒×2

ムカついたので、
すぐに読めなくてもいい、と思いを堅め、
出かけた先の本屋で、初版を探しました。

そのうち、ポップが出来て4刷まで……

血管キレそうになりつつ、
なんとか、
渋谷のブック・ファーストで発見。
平積みのいちばん底にありました。

いろんなところで、
平積みの本をひっくり返し、
奥付を確認しまくったのも、
今では良い思い出……(恥

ファンだから、初版で欲しいのさ(ひゅりら~

……そんなに苦労したのに、
二日で読んじゃいました(苦笑)

だって面白いんだもの。

まず「はじめに」を読んで、
感銘を受けました(はやっ!w

まず、本書のコンテンツに
ほとんど新味はないといった後で、
「でも、新味があろうとなかろうと、
 繰り返し確認しておくことが必要な命題というのは
 あります」といい、
それを毎日の洗顔や掃除にたとえて、
本書は「お掃除本です」と規定するノリに
まずシビレたことでした。

中身は、いわゆる日本人論なわけですが、
個人的に感銘を受けたのは、
「日本文化そのものは
 めまぐるしく変化するのだけれど、
 変化する仕方は変化しない」(p.26)
というフレーズです。

これは丸山眞男の文章に
基づくものだそうです。

これまでの日本人論は
(といっても、さほど読んでいませんがw)
日本人とはこういうもの、と
規定するものが多かったと思います。
移り変わりが激しい、定見がない
というのも、あるかと思います。
ただ、そういう見方は、
やっぱり表層的ですね。

「変化する仕方は変化しない」というのは、
変化の構造を見据えているわけです。
こちらが浅学非才のためでしょうが
(丸山の文章を知らなかったし)、
この視点は新鮮でした。

日本人が
国際的に通用するヴィジョンが持てない理由も
大変よく納得できました。

ひと月で三つも四つも版を重ねるのは
どう考えてもおかしいんですけど、
これが売れるのは、よく分かります。

日本人は今のままでいい、
といってるんですから(藁

ただし、今のままの状態を
方法論的に自覚せよ、
といってるわけですが。
ここらへんが「お掃除本」としての
真骨頂でもあるかと思います。

オススメでございます。