
(2009/田口俊樹訳、新潮文庫、2009年9月1日)
オビにもありますが、
昨年9月に出て話題をまいた
『チャイルド44』(2008)の続編です。
舞台は1956年のモスクワ。
国家保安省の捜査官だったレオ・デミドフは
連続殺人犯逮捕の功績で
それまでなかった殺人課を
任されることになりました。
そのレオが、
国家保安省の捜査官時代の因縁で
復讐の対象になって苦労する、
という話です。
うわっ、チョー簡単なまとめ方w
フルシチョフのドキュメントの問題とか、
面白いんですけど
(政治体制が変わるというのは、
まさにこういうこと、みたいな)、
深く触れると初読の楽しみを
奪うでしょうから……。
フルシチョフって、知ってる~?(藁
自分も、大学卒業ぐらいまでは、
自分の生きた同時代世界史は
気にもしていませんでしたが
(ソ連を意識したのはゴルビー以降かな~w)、
エリツィン以前のソ連(ロシア)を
知らない世代には、
歴史ミステリになるのかも、
と思うと、ちょっとガクゼン(遠い目)
前作『チャイルド44』は、
スターリン体制下の国家にあっては、
シリアル・キラーのような異常者は
存在自体がありえない、という中で
サイコ・キラーを追いつめる警察小説
(その状況設定が新機軸)でした。
今回は、一種の冒険小説という感じでしょうか。
というのも、レオがある使命を持って
ある囚人を脱獄させるために、
北方にある強制収容所まで行くからです。
邦題の「グラーグ」というのは
強制労働収容所のことです。
事情により、国家保安省員だという
身分を隠したまま、潜入せねばならず、
収容所に行くまでの苦労と、
収容所に着いてからの苦労が、
これでもか、というくらい
レオに降りかかります。
ここらへんの、キャラクターをいじめる
ネチネチとした書きっぶりは、
いかにもイギリスの小説っぽい
しつこさです(苦笑)
それほど苦労した結果があれですから、
作者も相当のSですね(藁
個人的には、面白かったのはそこまで
(下巻の140ページくらいまで)。
あとは、まあ、下巻のオビにもある通り、
動乱中のハンガリーへと舞台を移すのですが、
読みようによっては
戦争小説的な面白さ、ないしは
革命小説的な面白さがあるかもしれないけれど、
個人的には大ぶりなメロドラマという印象で、
好みではありません。
家族愛シンドロームな小説が好きな方なら、
読み通せるでしょうけど、
キーポイントとなる少女の心理が、
最後になって御都合主義的なのが、どうもね。
いろいろ体験して、精神的に大人になった
てことなんでしょうか(白い目)。