
(講談社現代新書、2009年5月20日初版発行)
仲正昌樹(なかまさ・まさき)の本は、たまたま
『「みんな」のバカ! ——無責任になる構造』
(光文社新書、2004)を読んで以来、
新著が出ると買っています。
この本は、オビの
「『分かりやすさ』を疑う」
という惹句に釣られました。
ハンナ・アーレント(1906~75)は
ドイツ生まれの、アメリカの政治哲学者・思想家です。
名前は何となく目に(耳に)していて
気になっていたことでもあり、
半分おベンキョウのつもりで読んだんですが、
それなりに面白かったです。
とはいえ、やっぱり、
一言で感想を書くというわけには
いかないのですがf(^^;
印象に残っているのは、最終章の、
政治的活動(ないし実践)に対して
傍観者でいることは
別に悪いことじゃない、
というくだりでした。
政治問題に限らず、
アクチュアルなテーマに関心を持つことが
アクチュアルでないことに関心を持つことよりも良い、
というような立場を目にしたり、
意見を聞いたりする場面は
いくらでもあります。
また、アクチュアルなテーマに関わる場合、
手っ取り早く分かりやすい解決法を
求めたり、求められたりすることも多い。
もちろん日常生活や仕事の場面では
手っ取り早さも致し方ない場合もありますが、
そういうミニマムなレベルであっても
(あるいはミニマムなレベルをも含めて)、
すぐ答えを出す必要はないし、
分かりやすい答えを出す必要はないのです。
とまあ、今のところは
上のように理解しているのですが、
こういうふうに理解すると、
自分が体験した
あんな場面やこんな場面なんかが思い出されて、
あんな場面やこんな場面なんかの意味づけができて、
何となく元気になったりできるわけです(苦笑)