
(光文社新書、2006年5月20日初版発行)
先日ご紹介した
『難解な本を読む技術』の著者の前著です。
たまたま見つけたので買いました
(初版でもありましたし【^^;】)。
こういう新書本の哲学・思想書は
割と好きで、ついつい買ってしまうのです。
別に早く読む必要はなかったのですが、
ついつい読んでしまいました。
そこそこ「難解」なんですが、
あくまでも、そこそこです。
『難解な本を読む技術』で
ラカン思想を紹介した章よりは簡単(藁
こういう本は
一言で感想を書くものではありませんし、
また書けるものでもありません。
それに、数日前に読み終えたので
すでに細部は忘れてますf(^^;
でも、一言でいうと(笑)
「私」を取り巻くさまざまな抑圧から
「私」を解放するために、
哲学的に「私」について考察した本です。
オビの惹句につられて
実践的なものを求めて読んじゃうと、
肩すかしを喰らった気になるかもしれません。
中でも印象に残ったのは、
ヴィトゲンシュタインの言語哲学に基づいて
「『あらかじめ定義されたとおりの意味で
言葉を使うこと』は不可能です」(p.140)
といっているくだりです。
それでも他人と意思が通じあえるのは
「『この単語は、この程度の意味で
使われていたはずだ』と推測し、
それに『近似した』新しい意味を付与しつつ
発語している」(同)からなんですね。
この箇所を読んで、
ある研究グループに所属しているとき、
ある小説ジャンルの定義をせよ、すべきだ、
と言われた体験を思い出して、
印象に残った次第です。
それはともかく、上の引用部分で、
難解さの度合いの見当が
ついたでしょうか。
たいしたことないでしょ?(笑っ