
(テルデック 2564 68765-4、2007)
発売はワーナー・ミュージック。
直輸入盤ですが、
ダス・アルテ・ヴェルク・シリーズの1枚です。
ダス・アルテ・ヴェルクというのは
テルデック・レーベルから発売された
古楽演奏の録音シリーズで、
直訳すれば「古い作品」という意味です。
要は「古楽」のことですね。
レオンハルトやニコラウス・アーノンクール、
フランス・ブリュッヘンといった
60~70年代の古楽シーンを牽引した人たちの
若き日の録音がたくさん残されています。
以前、御紹介した
レオンハルトの2枚目のゴルトベルクも
ダス・アルテ・ヴェルクに残された録音でした。
『17世紀のイギリス音楽』は、
たぶん日本盤だと、1998年5月発売の
『イギリスの合奏&鍵盤音楽集』
に相当するかと思いますが、
買い逃している内に
廃盤になってしまいました。
で、今回、タワーレコードの
ネットの方のカタログに
直輸入盤ながら出ていたので、
これ幸いと購入した次第ですが、
調べてみたら邦盤と収録作品に
かなり異動があることが分かりました。
鍵盤音楽曲はすべて日本盤に入っているようです。
問題は合奏(コンソート)音楽の方。
日本盤に入っている何曲かが、
『17世紀』の方には未収録なのです。
代わりに、
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクムの
メンバーによるコンソート曲
(アーノンクールも参加)と、
Studio der Fruhen Musik
(Fruhen の u にウムラウトが付きます。
ステュディオ・ダー・フリューアン・ムジーク
というふうに読むのかな?)
による
伴奏付きの歌曲とコンソート曲が
収録されています。
ここらへんの異動は、LP時代の録音を
企画に合わせて適当に編集しているために
起きているように思われ、
実にコレクター泣かせなのです。
曲自体は、どれも哀愁漂う感じで、
実にいいです。
そういう傾向の曲ばかり
収めているのかもしれませんが、
この時代のイギリス人は
実にメランコリックです。
というのも、この17世紀前半のイギリスでは
清教徒革命(ピューリタン革命)が起きて、
国情不安なおりだからなんでしょう。
レオンハルトのチェンバロも、いい感じ。
レオンハルトは、他にオルガンを弾いており、
レオンハルト・コンソートという合奏団を率いて、
コンソート音楽では
ヴィオール(弦楽器)も担当しています。