
(ポプラ社、1995年4月、1600円)
以前、こちらで書影を掲げた
『名曲名盤バッハ』(オンブックス、2000)の
著者・那須田 務が、ティーンのために書いた
古楽入門書です(!)
『名曲名盤バッハ』の著者紹介欄に
既刊の著書としてあがっていたので、
駄目元で検索かけたらまだ在庫があったんで、
取り寄せて、読んでみました。
ネット買いを覚えると、便利だけど、
出費がかさむわあ(^^;
「10代の教養図書館」というシリーズの第22巻で、
副題は「古楽演奏による音楽の魅力の発見」。
優れた子供向けの本は、
凡庸な大人向けの本より
益するところが多いものですけど、
那須田のこの本もまさにそう。
総ページ数は200ページほどですが、
盛り込まれた情報たるや、
なまじの音楽雑誌の古楽特集よりも
レベルが高い。
普通に考えて、子供向けの教養書で、
当り前にクラシックを紹介するのではなく、
古楽演奏を紹介する本を出そうという発想が
まず、すごい。
企画を出した編集者もすごいが、
それにゴーサインを出した会社もすごい。
大人向きでも、まるまる1冊
古楽を紹介するという本は、
ぼくの知るかぎり、
翻訳書を除き、ないです。
古楽演奏家のエッセイとか
インタビューとかはありますけどね。
これ1冊で、
古楽演奏のおおまかな歴史も分かるし、
代表的な演奏者も分かるし、
現代における古楽演奏の意義も分かります。
古楽器のカラー写真も載っているので、
チェンバロなどの古楽器が
どういう形態なのかも分かります。
ランドフスカも、レオンハルトも、
写真入りで紹介されています。
10代の少年少女が買えるのか、
買えたとしても、聴いてくれるのか、
というような(ちょっと10代への偏見ありw)
推薦CDまで紹介されています。
これ、すごいです。
とても普通の10代の少年少女が
手にするとは思えないのですが(^^;
でも、20代以降の大人が読んでも楽しめます。
てか、子供向きだからといって、
大人が読まないですますのは、もったいない。
これ超オススメです。
新刊書店やネットで見つからなくても、
市町村の公共図書館なら、ティーン向けだけに
かえって、あるんじゃないでしょうか。
だとすればタダです。
これがタダで読めるなんて、ただごとではありません!