前に、グールドの弾いた
マルチェルロの主題による
協奏曲 BWV974 の魅力を、
曽根麻矢子の演奏で知ったと書きましたが、
その演奏が入っているのが下のアルバム。

圏外の日乘-シネマ=チェンバロ
(ワーナーミュージックジャパン発売 WPCS-4260、1994.9.25)

ライセンスはエラートです。
チェンバロのことをフランス語ではクラヴサンというので、
原盤は『シネ=クラヴサン』というタイトル。
こっちのタイトルの方が、何となくオシャレな感じ(藁

ちなみに、原盤だとハイフン(-)なのに
邦盤だとダブルハイフン(=)になるのは、
日本語に訳すときの慣用のためです
(最近はハイフンのままの場合も見かけますが)。

先にも御案内の通り、協奏曲 BWV974 は、
バロック時代のイタリアの作曲家
アレッサンドロ・マルチェルロ(1684~1750)の
オーボエ協奏曲 ニ短調を
鍵盤楽器で弾けるように編曲したものです。

原曲の第2楽章のアダージョが、
エンリコ・マリア・サレルノ監督の映画
《ベニスの愛》(1970、伊)に使われたことで
有名になったそうです。
ライナーによると、
スチュアート・ヘイグマン監督の映画
《いちご白書》(1970、米)にも
オーボエでなくギターで演奏するものが
使われているらしい。

とはいえ残念ながら両方とも観たことはありません。
《いちご白書》の方は、
「『いちご白書』をもう一度」(1975.8)という
フォークソングで、名前だけは知ってますけど
(ちなみに、作詞作曲は荒井由実時代のユーミンです)。

曽根麻矢子のアルバムには全8曲が収録されていて、
上の BWV974 も含め、そのうちの5曲までがバッハです
(半音階的幻想曲とフーガもフルで収録)。
他は、ヘンデルのチェンバロ組曲が1曲、
ヴァレリオ・ズルリーニ監督の映画
《鞄を持った女》(1961、伊)のテーマ
(バロック音楽ではなく、映画用のオリジナル)、
そして、ポーランドの作曲家
オギンスキのポロネーズ イ短調を収録しています。

引用元になった映画は、ひとつを除いて、
どれも観たことはありませんがf(^^;
演奏自体はどれも実にいい。
これまた何度聴いたか知れやしません。

特にオギンスキのポロネーズが好き(^^)

残念ながら、現在は廃盤のようですが、
中古店で見かけたら迷わず買って!
というくらいの、超オススメ盤です。