1パート1人というアンサンブル演奏は
カフェ・ツィマーマンで知ったのが最初ではなく、
以下のCDで、初めて接しました。

圏外の日乘-クラヴサン協奏曲集(アンタイ、93)
(ポリグラムIMS発売、IDC-6023、1994.9.25)

IMS DOMESTIC CLASSICS シリーズ(?)の1枚で、
日本語解説つきの直輸入盤です。
レーベルはフランスのアストレーで、1993年11月録音。
原盤のCD番号は E 8523 です。

チェンバリストのピエール・アンタイが指揮する
ル・コンセール・フランセによる演奏で、
バッハのチェンバロ協奏曲 第1番と第3番、
三重協奏曲の他、アンタイ独奏による
プレリュードとフーガ ロ短調とヘ長調が
収められています
(プレリュードとフーガはいずれも、
 バッハの『平均律クラヴィーア曲集』第2巻に
 収録されているものです)。

チェンバロ協奏曲は6人、
三重協奏曲は8人で演奏されています。
全ての協奏曲にチェリストの鈴木秀美が、
三重協奏曲ではヴァイオリニストの
寺神戸 亮(てらかど・りょう)が参加しています。
いずれも日本の古楽ファンにはお馴染の存在。

これは自分にとっての愛聴盤で、
タスキの惹句にもあるように
「疾走するバッハ」が楽しめる。
チェンバロ協奏曲 第1番や三重協奏曲が
ちょっと聴きたくなったときに取り出すのは
たいてい、この盤になります。

だから、カフェ・ツィマーマンのCDを見た時、
すぐに買ったわけでした。

アンタイはレオンハルトに師事しており、
この盤では、ドイツ系のチェンバロである
ミートケを使用しています。
ということは、特に気にせず
聴き続けてきたんですけどね(藁

DOMESTIC CLASSICS というシリーズ名の通り、
家庭的な空間で演奏される軽みと楽しさ、
いっててみれば軽快さが、やっぱり快感なのですが、
後に那須田 務の
『名曲名盤バッハ——21世紀のスタンダードを求めて』
圏外の日乘-名曲名盤バッハ
(音楽之友社オン・ブックス、2000.11.5)で
チェンバロ協奏曲 第1番および三重協奏曲の
推薦盤としてあげられているのを知ったときは、
圏外の人間とはいえ、嬉しかったものです。

もちろん、おすすめ盤なのですが、
残念ながら、現在、
新品では入手できないようです……(-.-)