11月1日(水曜日) 曇のち雨
誕生月の10月は賑やかで忙しかった。イベントは終わり新しい月の始まり。2023年の締めくくりが近づいている……と落ち葉を見るたび実感する。
そんなふうに書くとロマンチックだけれど、実際は異常発生した雪虫が服や髪の毛に(2匹だけ)くっついたまま、満員バスと地下鉄で古巣へ出勤だった。
1ヶ月限定のヘルプ稼働が終わり久しぶりに本来の職場のビルに行ったら、隣の新築ビルにコンビニやら飲食店やらがオープンしてて、これはまた便利で賑やかになるのね。
11月に入れたコンサートの予定はひとつだけで、それがこの日の夜。
アレクサンダー・ガジェブのピアノリサイタルだ。
ショパンコンクールで反田恭平と2位を分け合った才人。実物はどんな人なのか、どんな演奏をするのか、すごく興味があった。
その割に下調べもせず出掛けるのが私の流儀……なんて偉そうなこと、単に「初対面」「新鮮な驚き」っていうかネタバレ無しの第一印象を楽しみたいからというだけ。
退勤して地下鉄に乗り中島公園駅で降りると、同じ目的地の人達がゾロゾロと歩いていた。お天気は雨、しかも雷雨になった。ガジェブって雷神系雨男なのか?もちろん初の北海道公演のはず。間違ってないよね?記念すべき日に雷光で歓迎されるとは、ちょっとカッコいいんじゃないかな~と思った。
友だちが3人来ていて、そのうち1人と開演前にホワイエで会い少しおしゃべり。彼女とは席が近いとわかり、休憩時間や帰りにも話せて良かった。
プログラム
私はとても見やすく聴きやすい席だったが、角度はガジェブの背中と手が見える感じ。
開演時間になったとき、ホール内の照明が全て落とされ闇に包まれた。そしてガジェブからのメッセージがありますとアナウンス。
彼の肉声なのか録音なのか知らないが、英語でメッセージが流れ、次に翻訳が読まれた(女性の声)、後で調べたらこれは恒例らしい。
内容を思い出せるだけ書いておく。私のつかんだ要旨なので表現が違うところがあると思う。
『音楽は言葉だ、しかし音は言葉よりも前に存在した。読み書き話すことに忙しい現代人には、純粋な音の世界に近づくことが難しい。光の前には闇があるように音の前には静寂がある。これから2分間の静寂を保ち心を安らかにしてください』
ということで目をつぶりシーンとした真っ暗な会場で、心をフラットにして音楽が奏でられるのを待った。
かすかな物音でガジェブがステージに出て着席したのがわかった。お迎えの拍手抜きで始まる演奏。
癒やされすぎて夢の世界の入口まで行ってしまった……。寝かしつける名人。
休憩
・バッハ/シロティ編曲:前奏曲 ロ短調
・ガジェヴによる即興演奏
紅葉と黄葉と緑の競演が街灯でライトアップされて、見とれていると足元が危なかったりする。
公園の道は舗装されているが古いし落ち葉が積もっているし、デコボコがあって注意が必要なのだ。
~ガジェヴ氏より、リサイタルにむけてのメッセージ~ 今回のリサイタルは、「心の動き」を巡るプログラムです。最初に演奏するバッハの変ホ長調のフランス組曲第4番は、私たちの魂を高揚させてくれます。そこからフランクの「前奏曲、フーガと変奏曲」へと旅を続けます。オルガン作品に基づくその美しい旋律は、メランコリックなスロー・ワルツを思わせます。遠い過去に思いを馳せるひと時となるでしょう。続いて3曲取り上げるショパンの夜想曲は、美しくも不穏なざわめきを喚起します。その心の動揺は、スケルツォ第3番で頂点を迎えます。ポーランドの作曲家ショパンが残した最もドラマティックな作品の一つですが、激しい展開の中にも心穏やかなコラールが姿を現します。それは冒頭のバッハと繋がる世界なのです。後半はムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」です。東方正教会の精神性を宿すこの作品は、キリスト教会と異教との主題が絡み合い、高雅と野卑、聖と俗、悲劇と喜劇とが融合して、ロシア文化の大いなる魅力を映し出します。この音楽の旅を皆さまとご一緒できることを楽しみにしています。
聴いてから読むのは順番が違うな、と思ったけど、内容にすごく納得。
キタラで次の東京のコンサートへのメッセージ動画を撮ってた。
急いで帰宅しても22時過ぎてしまい、遅い晩ごはんはコンビニのラーメンサラダ。
食べ終わった頃に次女から連絡があり、夫の車で職場へお迎え。
そのまま24時間営業の某スーパーへ行って買い物。
帰宅後は、シャワー後の次女の背中に薬を塗るという仕事がある。
そして夫が録画で『送り人』を観ていたので一緒に観る。
次女はご飯食べながら観てたらキモチワルいと、ヘッドホン&スマホでK-popアイドル動画に没頭→ママにも勧める。
K-popと送り人を行ったり来たりしつつ眠くなるママ。
翌日有給休暇で本当に良かった!