Amazon.co.jp: GFDay The Avengers マーベル 3D アイアンマン マスク ...

 言わずと知れたアメコミヒーロー映画だが、実に世界史的ネタにあふれた映画である。まず軍事企業の社長トニー=スタークが人質になった場所がアフガニスタン。アフガニスタンというと場所が分からないという人が大半かと思われる。

インドの北↓

JICS:アフガニスタンの地図

  ここは前6世紀、アケメネス朝の支配下に入ったが、アレクサンドロス大王がインドへ向かう途中に通った場所である。その後はバクトリアやクシャーナ朝の支配下に入った。前漢の武帝が匈奴に対抗するため、張騫を派遣して同盟を結ぼうとした大月氏はアフガニスタンにいた遊牧民である。トニー=スタークを人質にしたのはイスラーム武装勢力、ということになっているが、なぜアフガニスタンはイスラーム教なのか?教科書p.103に関連する記述がある。

 

「ウマイヤ朝は8世紀の初め,東方では中央アジアのソグディアナとインド西部,西方では北アフリカを征服し,やがてイベリア半島に進出して西ゴート王国を滅ぼした(711年)。」

 

 インド西部というのがアフガニスタンのことであり、これが原因で8世紀にはもうアフガニスタンのイスラーム化がはじまっていた。それでなぜトニー=スタークがアフガニスタンに行ったかというと、アメリカ軍に売り込む武器のデモンストレーションをするため。2001年以降、アメリカ軍はアフガニスタンで軍事行動をしている。教科書p.408に関連する記述がある。

 

「2001年9月11日、アメリカ合衆国の旅客機が乗っとられ、ニューヨークとワシントンのビルに突入する同時多発テロ事件がおこった。共和党のブッシュ大統領は、アフガニスタンのターリバーン政権の保護下にあるイスラーム急進派組織アル=カイーダが事件の実行者であるとして、同年10月、同盟国の支援のもとにアフガニスタンに対し軍事行動をおこし、ターリバーン政権を打倒した(対テロ戦争)。その後、アフガニスタンには国際連合の主導で暫定政権が成立し、国内復興につとめているが、治安の悪化は続いている。」

 

 2001年にはじまったものが、まだ終わってないことに驚いてしまう(いつ終わるのか?)。あとトニー=スタークの父親ハワード=スタークは原子爆弾の開発に関わった、という設定になっている点が興味深い。