ロック自叙伝 その195
俺はシングルレコードは滅多に買わないが、ラジオで聴いてすぐに買ってきた。それからしばらくして「Ram」が発売されると夢中でLPを聴いた。
それまでビートルズには馴染めないでほとんど聴かなかったのに
ポールマッカートニーだけはなぜか気に入ってしまった。
「Another Day」の歌詞は、より良い生活を実現するために
すべてを捧げる労働者階級女性の典型的な一日を鮮やかに描いて
いる。
彼女の健気な努力にもかかわらず、彼女はまだまだ人生の平凡なサイクルに閉じ込められており、もっと意味のあるものを切望している。
この曲の最も印象的な歌詞のいくつかは、「毎日、彼女は朝の
お風呂に入り、髪を濡らし、寝室の椅子に向かっているときタオル
を巻く...毎日、彼女は彼女のそばで働く男を連れて行きます。
彼は愚か者で、土足を引きずりながら大丈夫だと思っている」
と、人生の単調さ、起きて、仕事の準備をして、夜に家に帰って、
それを繰り返すというルーティンを描いている。
ポールがファルセットで歌う「Another Day」のコーラスは、
この曲に悲しみと絶望感をもたらしている。「毎日バスで街に出ると、ビルに飲み込まれていくぞ」という歌詞は、女性がそびえ立つコンクリートジャングルに囲まれ、苦労しているにもかかわらず、目に見えず、取るに足らない存在であると感じている様子を描かれている。
この曲のアウトロは、ポールマッカートニーが、「毎日、彼女は孤独な旅をしている、ただ別の日、走れる相手もいない、何も言わない...
誰かと一緒にいられるように夜が来るのを待つのにうんざりして、疲れた昼間、彼女は向きを変えて再び一人で眠ります。」と語る。
この曲の生々しい弱さは日常生活に閉じ込められ、幸せと充実感を見つけるのに苦労していると感じたことがある人の最も深い感情に触れているように感じる。