朝日山古墳群2(四国中央市金田町)2023年6月16日
立派な石組で設えられた横穴の薄暗い開口部では、蜘蛛巣と藪蚊
の襲来という大穴牟遅を試すスサノオのような手荒い歓迎です。
縦横1.5mほどの四角い横穴式石室は、背中を丸めれば無理なく
潜入でき、3ⅿ近い羨道部は高さ2mほどの両袖式で、玄門は柱石とまぐさ石で区切られている。見事なまぐさ石は一段低い位置に張られて、内部の玄室を妖しくいざないます。
奥行き4.5m、幅2m、高さ2.4m 玄室は完存する横穴式石室で、
玄室・玄門・羨道・羨門が良好な状態で完存する点では貴重な石室だととされます。
奥壁は巨大な結晶片岩の1枚石で、壁は大きめの腰石の上に小型
の割石をやや持ち送り積み上げています。天井石も磨き上げられた
結晶片岩が見事です。
羨道・羨門をくぐりてふたたび地上に出てみれば、平場に何やら怪しげな石組があります。全長2.5ⅿ、幅1.0ⅿ、高さ0.5mほどの石組はまごうかたなき箱式石棺。板状結晶片岩を壁面に張合わせた箱状の石棺と看られる。
おそらく先程の石室内に安置されていたものと思われるが、何故にここに放置されているのか。案内はおろか表示もなく来歴を識る由もありません。