小町代の一年
ちょうど一年前のことです。虎千代が10日ほど前から夜中に家の中を走り回り鳴き喚いて眠りません。どうやら仔猫が来ているようです。
生後一月くらいのネズミほどのいたいけな子猫は痩せ衰えて片目が開きません。
我が家も飼えるものなら飼いたいが、捨てるには小さすぎるので
しばらく様子を見ようという矢先、仔猫が顎下に怪我をして急遽、病院に連れて行けば、41度の発熱とマンソン条虫という強烈な回虫の卵が大量に見つかりほっておいたら衰弱死するところでした。
どうやら女の子と解り何とか飼えないものかと、思案の挙句暫くは倉庫で育てることにしました。
あの日から1年が過ぎ、小町代は順調に回復して家にお迎えすれば、とにかく食べるわ食べる。
年明け以降は日に日に成長を続け、遂には5㎏を超える巨大猫に変貌しました。 ネコの手が デリート押して ファイル消え
暑い夏場には板間に倒れる。もふもふ毛はたまらんのやろなぁ。
性格はひっじょうに温厚で、人見知りが激しいものの、家族にはひっじょうに懐いていて妻の後ばかり犬のようについて回る。
「甘い声 すぐ駆け寄ると 塩対応」
声をかければ必ず返事して、ちゃんとニュアンスに応じた声色を出しながら近づいてくる変な猫。
虎千代とも相性宜しく、日に何度もかいがいしく顔をなめてやる世話女房。
一年前にはとても想像できない不思議生物が出来上がりました。