柔道:パリ・グランドスラム2021の感想 | 柔道が足りてない!

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昨今、柔道人口の減少が深刻みたいなので、皆様にちょっとでも興味を持って頂けるような柔道ネタなど書いて行ければと存じます。

先週10/16、10/17と、パリ・グランドスラムが開催され、日本からも多くの選手が派遣されましたので、感想を述べたく存じます。

印象的だったのは、パリ五輪を目指す若手選手達の活躍。

中でも強烈なインパクトを残したのが、今一番勢いのある選手、81kg級の佐々木健志選手でした。

東京五輪での活躍も記憶に新しいカッセ選手(ベルギー)やグリガラシヴィリ選手(ジョージア)らを圧倒。


この日の5試合オール一本勝ち、かつ全て1〜2分程度で仕止める圧勝振りで、会場に集まった満員のパリの柔道ファン達も、あまりの強さに呆気に取られているようでした。

 

一方、現状の厳しさを突き付けられたのが、男子重量級。

 

100kg級に飯田選手、100kg超級に佐藤選手、小川選手が派遣されましたが、いずれも初戦敗退。

 

三者三様に敗因はあったと思いますが、個人的な印象を挙げると、

 

・飯田選手は、急に間合いを詰められて咄嗟に下がるところに足技を合わされる負けパターンを克服できず。

 

・佐藤選手は、強引に大外刈を掛けた際にしがみつかれて両手を放してしまい、裏投を食らって轟沈。

恐らく100kgを超える佐藤選手を裏投でブン投げるパワーの持ち主は日本国内には少ないと思われ、国際試合の経験不足が原因と推察しました。

 

・小川選手は、相手の瞬発的なパワーとスピードについて行けていない印象で、2、3度前に引き崩されて膝を付く場面が見られ、最後も引っ張り出されて一本背負投で投げられてしまいました。

 

重量級に関しては、今までの強化のやり方を根本的に変える必要があるように感じました。

 

3人とも、恐らく所属先ではトップレベルの選手なので、自分より格上の相手と稽古する機会に恵まれないのではないかと。

 

理想は海外の重量級選手達とガンガン稽古する事ですが、地理的に難しいのであれば、例えば国内の重量級トップレベルが日常的に集う稽古の場を設けるなど、何らかの思い切った対策をしない限り、重量級が低迷する現状の打開は難しそうな気がします。