注目のフランス大統領選・決選投票は、予想通り中道派のマクロン候補が極右のルペン候補に完勝し、EU首脳をはじめとする穏健勢力には安堵の結果となった。
マクロン候補の得票率は65%と一見圧勝に見えるが、有権者の34%は棄権か無効票を投じており、マクロンの正味得票率は43%弱となる。
少なくともフランス国民の過半数はマクロンにNoの意思表示をしたことになる。
マクロン政権になっても雇用拡大・景気拡大が不十分で、移民トラブルやテロが多発するようであれば再び政局となることも考えられる。
私が学生の頃、ミッテランが大統領になり、サルトルやアンドレ・マルローの左翼的発言がもてはやされるフランスを民主主義の先達と評価し、我が国の民主主義は未熟であると論じる「有識者」が多かったように記憶する。
我が国を未熟とする根拠として、投票率の低さを指摘する「有識者」が多かったが、彼等は今回のフランス大統領選を見たら何と言っただろうか?
国民投票であっさりEU離脱を選んだイギリス国民、トランプ大統領を実現させたアメリカ国民を目の当たりにすると、成熟した民主主義国家の実態は怪しいものと思わざるを得ない。
もちろん我が国が民主主義国家として米英仏に肩を並べる成熟度合いにあると言うつもりもないが。
結局国民の叡智を左右するのは、歴史に学ぶ蓄積度合いではないだろうか?
フランス革命、独立戦争、ロシア革命などそれぞれの国にはそれぞれの歴史的転換点がある。いくら立派な歴史を持っていても、国民がその歴史に学んでいなければ宝の持ち腐れである。
歴史に学んで未来への教訓とする文化の厚みが、国民の叡智を育てるとすれば、今はどの国が先端を歩んでいると言えるのだろうか。
さて土曜日には、思い立って東京競馬場に出向いた。久々に馬を観たくなったからだが、どうせ行くならG1レースなどのない土曜日がお勧めである。
5月28日には日本ダービーが開催されるが、当然テレビ観戦を決め込んでいる。どうせパドックで馬体を見たって何も分からないのだから。
そう言えばフランス・ロンシャン競馬場では世界最高峰レースと言われる凱旋門賞が開催される。
日本からもディープインパクト、オルフェーブル、キズナなどの名馬が参戦しているが、未だに優勝馬を出していない。
政治はいざ知らず、こと競馬においてはフランスが先進国であることは間違いないようだ。
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