今年のカーリング日本選手権女子決勝は、中部電力が二連覇を目指すLS北見を破って3年振りの優勝を果たした。
トリノ五輪以来のカーリングファンである私としては、NHKのBS1で放映されていた予選から注目して観ていた。
本命は世界選手権で準優勝したLS北見であり、対抗はカーママ小笠原率いる北海道銀行である。
中部電力は2011年から四連覇した強豪だが、主力だった市川(美人過ぎるカーリング選手と呼ばれた)や藤沢(日本を代表する天才スキップ、現在はLS北見のスキップを務める)が抜けて、一気に弱体化した。
昨年は地区予選で敗退していた程で、中部電力が上位に進出すると予想した人は殆どいなかったのではないか。
私もその一人だが、先週の北海道銀行戦を観て認識を新たにした。
四連覇当時は最年少でリードだった松村がスキップをやっているとは聞いていた。彼女は当時はいつも半袖姿の元気娘で、ややポッチャリ型の可愛らしい選手だった。
しかし北海道銀行のスキップ小笠原に対し一歩も引かず、堂々としたスキップ振りでチームを勝利に導いた松村の変貌には驚かされた。
前髪を下ろしてガムを噛んでいる姿はポーカーフェースそのもので、初々しかった四連覇当時の面影はない。
チームには半袖姿のメンバーも居たが、身体を冷やさないためか松村はウィンドブレーカーを着込んでいる。
相手がスーパーショットをしようがミスショットをしようが、全く動じることなく着実にストーンを狙い通りの場所に置いて行く。
他のチームのスキップは、小笠原でも藤沢でも喜怒哀楽が直ぐ表情に出るが、松村の場合は如何なる場合も表情が読めない。
全く新しいタイプのスキップが現れた。9月にLS北見と五輪代表決定戦が行われるが、松村率いる中部電力が代表になればかなり面白いのではないか。
それにしてもチームのドン底から這い上がってここまで来るのには大変な苦労があったのだろう。
「男子三日会わざれば刮目して見るべし」と言われるが、女子も同じであることを松村に教えられた。
ただクールな松村も、優勝インタビューの時は、昔と同じ明るい笑顔であったことにホッとさせられた。今後の更なる活躍を期待したい。
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