2016年を振り返る(読書・歴史編) | アンクルコアラのブログ

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日本酒、ラグビー、美術展、日本古代史、その他ランダムに雑感を綴って行きます。気まぐれなので更新は不定期かも?

今日は御用納め。会社はあす30日まで営業しており、昨年までは私も最終日まで出社するのを常としていたが、今年は再雇用社員の身であり、少しは解放されても良かろうと、自主的に30日は休暇を取ることにした。

今年もあと3日、仕事も終わりゆっくりしたところで、年末恒例のジャンル別年間回顧と行こう。

先ずは読書・歴史編である。ただ私の読書は極端に歴史に偏っているので、実質歴史書マイベストの選考となる。

歴史書は今年も昭和史を中心によく読んだ。

その中でベストを選ぶとすれば、「昭和史講義・昭和史講義2」(筒井清忠編著 ちくま新書)だろう。
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昭和史の最新研究成果を、時系列・トピック別に体系的に把握するのに最適であり、それまでの断片的な知識を整理することが出来た。

また多くの有望な中堅・若手研究者をまとめて知ることが出来たのも、これからの読書を進める上で役に立った。

単一著者のものでは「外務省革新派」(戸部良一著 中公新書)を挙げたい。
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満州事変から日米開戦に至る時代に、外務官僚達がどのように考え行動したか、余り知られていない外交官の世界を的確に分析する著者の緻密な論考には感服した。

歴史書以外では、まだ「私の本棚」で紹介出来ていないので気が引けるが、「脳がこわれた」(鈴木大介著 新潮新書)を挙げよう。
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ノンフィクションライターである著者が44歳の時に脳梗塞を発症し、一命をとりとめた後も高次脳機能障害となり、闘病・リハビリの苦しみに向き合う迫真のドキュメントである。

著者の闘病生活を支える奥さんが素晴らしいのだが、その奥さん自身が大変なものを背負っていて、読後は大きな感動に包まれること必至である。

来年は質量ともに今年を上回る読書をしたい。出版各社から素晴らしい書物が刊行されることを楽しみにしている。





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