認定トライ | アンクルコアラのブログ

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日本酒、ラグビー、美術展、日本古代史、その他ランダムに雑感を綴って行きます。気まぐれなので更新は不定期かも?

今シーズンの大学ラグビーの行方を占う重要な一戦、慶應義塾vs明治の試合が11時半に秩父宮でKick Offした。

前半は意外にも慶應義塾の一方的なペース、22-0で折り返した。

このままで済む筈はないと半信半疑ではあったが、久しく明治に勝てていない慶應ラグビーにも、たまには良いことがあっても良かろうと、祈るような気持で後半を見守った。

今思えば前半は慶應義塾が風上であり、ここでもっと差を付けていなければならなかった。

後半10分も経たないうちにモールを押し込まれて1本返された。この辺から疲れと風下のために集中力が弱まって来た気配がし始めた。

ラインアウトが安定せず、せっかくのチャンスをみすみす逃す場面が増えて来た。

それでも1本取って、明治がトライの好機にPGを選択した時点で薄氷ながら勝ちを確信したものだ。

それが70分過ぎからは明治の猛攻に自陣に釘付けとなり、異様に長いロスタイムの中で嫌な雰囲気が充満する。

何とか自陣ゴール前で良く守っていたが、驚いたことにレフェリーは長い攻防で膠着した状況に嫌気が差したのか明治の認定トライを宣言したのである。

認定トライだとゴール正面の短いコンバージョンキックが与えられるから、トライ時点で同点では明治の勝利が約束された。

締めてみれば29-31で明治の逆転勝利。協会としても明治が全勝で帝京と対戦する結果にさぞホッとしていることだろう。

レフェリーの判定に異を唱える気はないが、念のためネットで「認定トライ」の定義を調べてみた。

基本的には故意の反則を繰り返しがあり、その反則がなければトライになったと思われる場合に「認定トライ」が与えられるとのことだ。スクラムを故意に崩すことの繰り返しが代表例として、どの解説にも挙げられている。

今回の場合、明治はスクラムではなくモールに拘っており、慶應も特段故意に悪質な反則をしているようには見えなかった。それに明治も攻めてはいたが、トライが決定的な状況とまでは言えなかったように見えた。

レフェリーは慶應の守備の何をもって認定トライ妥当と判断したのか、説明してほしいと思った。

トライか否かビデオ判定が使われるのだから、認定トライについても同様の説明がなされるべきと思うが如何なものだろうか。

それにロスタイムは3分の前提らしかったが、10分以上も引っ張ったのなら明治が押し切るか、慶應が守り切るか最後まで見守るべきではなかったか。

レフェリーがしゃしゃり出て緊迫した好ゲームを台無しにしたと言ったら言い過ぎだろうか。

まあそれまでに更に1本トライかPGを決めておけば負けることはなかったのだから、慶應の自滅とも言える。

昨シーズンいいところがなかったチームは、「勝ち切るツボ」を知らない。選手を上手くリードして「勝ち切らせる」のが監督の役割であり、今日も故上田昭夫氏か和田康二氏が監督なら逃げ切っていただろう。

さて次は早慶戦。今日の第二試合で早稲田は帝京に3-75で惨敗した。

実力通りの戦いが出来れば早稲田に勝てる筈だが、早慶戦は初っ端から早稲田が主導権を握る展開になることが多い。

今日の敗戦のショックは早慶いずれも同じ。チームを立て直して平常心で早慶戦に臨み勝ち切ることが出来るか。金澤HCに課せられた宿題は決して易しいものではない。

仮に早稲田に負けたとなると昨シーズンと同じであり、「帝京に勝つ」と高らかに宣言してからの二年間が問われることになるだろう。

金澤HCにも「認定トライ」の宣告が下される日は遠くないかも知れない。



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