新宿・京王百貨店で開設されている日本酒バーに出掛けたことは昨日のブログに書いたが、会場には他にも面白い食べ物が沢山売られていた。
その中で目を引いたのが、相模原のオギノパンが売っている揚げパンだ。
何でも神奈川県のB級グルメ大会で金賞を受賞し名物となっているようだ。
期間中は毎日午後2時から揚げたてのパンを出してくれる。1個110円と庶民的な価格も受けて、かなりの行列が出来ている。
揚げパンと言えば小学校の給食である。通常は硬くて不味い食パンに閉口していたから、月1回くらい出て来る揚げパンには教室に歓声が上がったものだ。
オギノパンの揚げパンを囓ると、熱々のコッペにまぶされた砂糖の甘さが口一杯に広がり、小学生時代が帰って来たような気分になった。
尤も、給食に供される揚げパンは冷えていて、こんなに美味いものではなかったのだろう。
給食と言えば脱脂粉乳にも閉口した。アルマイトの器に入った脱脂粉乳は、未だ戦後が終わっていないことの何よりの証明であった。まともな牛乳を飲んでいる現代の小学生は恵まれている。
ごく稀に給食にプリンが出て来ることもあった。一瞬教室内は沸き立ったが、脱脂粉乳で作ったプリンであることが分かると忽ち熱気は萎んだ。
鯨肉もよく出て来た。竜田揚げが一番多かったが、中には「マリアナソース和え」というものもあった。私は割合好物としていた。
当時は「マリアナ海溝」と関係があるものと理解していたが、多分「マリナラソース」を誤記したものだろう。
揚げパンからこれだけ沢山の記憶が蘇った次第だが、行列に並んで揚げパンを買い求めた客達一人一人が、同じように暫しノスタルジーに耽ったのではなかろうか。
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