健康診断のため何日も前から禁酒するとか、前々日と前日に採便するとか、いろいろ準備が必要である。
特に私の場合、意識すればするほど便秘気味になるので、採便は難事業なのである。これまで採便無しで健康診断に臨んだことも屡々ある。
今回は両日とも採便に成功し、4日間の酒断ちして、前日の夕食も7時半には済ませ、準備万端で診断に臨んだ。
当日は流れ作業のように諸検査が進んで行き、クライマックスである胃カメラを迎えた。
同年輩の社員でバリウムの人もいるが、私の場合は数年前から胃カメラを指定されている。多分胃潰瘍の瘢痕が見付かったからだろう。
この胃カメラ、何回やっても嫌なものである。医師により巧拙がはっきりしていて、上手い人ならスンナリと食道を通過させてくれるが、下手な人に当たると七転八倒の憂き目に遭う。
今回は、割合スムーズに食道を通過したのだが、出口近くに来て空気を入れたりしていると急にえづいた。
やはり今回も簡単には終わらなかった。
ともあれ健康診断は無事終了、喉麻酔が切れて食事が摂れるまでの間、公園での読書で時間をつぶした。
公園に隣接する建物には兜町や茅場町の神輿を展示していた。
苦行の後のお楽しみはやはりランチ。今回は検査施設に隣接する「辰巳」。
昨年もここでサンマの塩焼定食をいただいたが、メニューにあった「メヌケのフライ定食」が気になっていて、今回はそれを注文した。
メヌケは深海魚のようで、滅多にお目に掛かれない。タラのような白身魚ではあるが、野趣とも言える濃い味が印象的で仲々美味い。
満足して帰ろうとすると、前の職場で一緒だったH先輩が店に入って来た。
私と同じように健康診断➡ランチの流れで辰巳に入ったとのことである。
H先輩とは、昭和史と言う共通の趣味があるが、行動パターンにも共通点があるとは気が付かなかった。
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